大手企業と中小企業における会計に関する違いは、結論から言えば、
大手は企業会計をベースに会計処理をおこない、中小企業の多くは
税務会計です。
辞書などによれば、企業会計とは、主に営利企業に対し適用される
会計手続きの総称。
企業の事業活動を定量化した情報の提供、分析を目的として実施さ
れる。
なお企業会計は、その目的により財務会計と管理会計、税務会計に
分けられる。
財務会計の目的は、企業外部の利害関係者に対し、企業の財務状態
などの情報提供を行うことである、となっています。
企業会計に関しては、国際会計基準もあり、複雑化しています。
中小企業の場合は、税務会計中心に会計処理をしているところがほ
とんどでしょうか。
税法に基づいて会計処理をしているということになります。
大企業や上場企業の場合、財務諸表は会社法や金融商品取引法、国
際会計基準などさまざまな会計基準にしたがって作成されます。
一般的には、会計基準に準拠した形で作成される財務諸表をベース
に、税法で要請される調整を加え、税務申告用の所得を決定するプ
ロセスをとります。
中小企業の場合、一般的に最初から税法に準拠した形で財務諸表が
作成されます。
最初から税法ベースで作成されるケースが多いので、中小企業の財
務諸表は税務申告のための根拠資料という意味合いが強くなるよう
です。
他方、大手企業では、例えば固定資産や棚卸資産の除却などに関し
て企業会計ベースで社内基準を設けて会計処理をしています。
必ずしも税法基準ではありませんから、有税(税金を納付する)
で会計処理をする場合もあります。
小企業や個人事業の場合は、このような会計処理はしませんので、
原則、固定資産など税法どおり原価償却することが大半でしょう。
税法上、税金を最小化する会計をしているところが多いのではない
でしょうか。