私がデータベースに興味をもったのは、花王の営業さんがもってい
た小型情報端末からだったような気がします。
ある小売店で花王の営業さんが情報端末に他社の販売価格を入力し
ているのをみて、なにを入力しているのですか、と質問しました。
かえってきた答えは、他社の販売価格を入力することで翌日販売促
進費がアップデートされます、と話されました。
当時はバッチ処理のため翌日になっていましたが、やはり進んだ仕
組みを取り入れていると、非常に興奮した記憶があります。
一方、私が在籍していた企業は、手書きの営業日報に同じような作
業をしていましたが、本社からまともな回答もなく、販売促進費は
おきまりの本社予算でした。
過当競争になっている業界ですから、エリアによって競合他社の販
売施策や販売代理店の販売力などの要因で価格は大きく違います。
現場の情報を吸い上げている花王と私がいた企業では、その後の成
長に雲泥の差がでるのは当然です。
当時(1980年代の中ごろ)の売上高は5000億円くらいでしょうか。
今では、1兆5000億円前後ですから。。。
情報は、みなに平等に存在します。
その平等に存在する情報をどのような切り口で獲得するかが、企業
の優劣を決めます。
花王の場合、販売促進費に限らず、他社の原価率の分析や自社の商
品の付加価値向上などあらゆる施策に情報を活用していた、と私は
想像しています。
このようにまわりにいるよい企業から多くのことを学べます。
自社の問題点ばかり指摘するよりは自ら他社のよい施策を学び、自
分のビジネス人生に活かしていくことです。
話を聞かない経営層を相手にするよりよほど自らの成長を助けてく
れます。
花王、P&G、ユニリーバジャパン、エステーなど多くの企業から学
ばせてもらいました。
学びの機会は、自分の身近なところに存在します。
少し古いですが、花王の事例研究です。
トイレタリー市場における花王の事例研究