棚卸資産ほど会計上やっかいなものはありません。
理由は、恣意的に資産として計上されることが多いからです。
大手企業でも売上が伸びず棚卸資産が増加している場合、棚卸資
産に問題があります。
資産というには、売上に貢献することが前提ですが、売上に貢献
できなくとも資産に計上されていることがあります。
現場に棚卸資産の管理をさせれば、必ずこの棚卸資産は、必要で
す、というでしょう。
資産が売上に貢献できなければ、棚卸資産の除却損を計上したり
、評価損として認識しなければなりません。
現場は、P/Lが減益になることを嫌がります。
もっとも、経営者も減益になることを嫌がりますから、会計処理
は甘くなりやすいものです。
こうして毎期繰り返せば、問題は雪だるま式に大きくなります。
そしてある日、棚卸資産の除却や減損処理をしますが、この時点
になれば、その額が数千万円単位は当たり前で、中に億単位にな
ることがあります。
しっかりとやっているところは、企業で評価基準を定めて恣意的
な棚卸資産評価がなされないよう毎期厳格に棚卸資産を管理して
います。
これも経営管理のひとつとしては、当たり前なのです。