上場を検討している企業を多くみてきましたが、だいたいにおいて組
織的な課題を有しています。もっとも、それ以前に売上や収益の認識
などで課題があることがあります。ビジネスモデルにおいては、競合
他社との差別化が不十分であったり、市場規模が小さいという問題点
もあります。
上場を検討しているのであれば、少なくとも競合他社で上場している
企業の有価証券報告書はみておくべきでしょう。現在では、EDINET
で簡単にみることができます。上場を維持していく覚悟が学べます。
経営者は企業業績が順調であればなんでもできると考えていますが、
実際、上場に耐えうる企業をソニー以外私はみてきておりません。
私が関係した企業は、上場を取りやめたり、上場後に業績不振となり
M&Aをしたりしています。経営者は、上場に関しての知識や高度な企
業運営について理解できていませんでした。
私は、上場を検討しながら企業を成長させていくべきだ、と考えてい
ます。1社だけそのように考えた企業があり、現在着実に企業は成長
しています。
この経営者は、上場を延期しようと思うと、私に話てくれましたが、
私もそのほうがよいのではないでしょうか、と返答しました。理由は、
上場を維持する組織力や運営能力がないと判断したからです。
上場の前にやるべきことは沢山あります。経営は長丁場、企業が上場
に耐えうる能力を有してからでも決して遅くはないでしょう。この企
業が、上場するとすれば、売上高1000億円以上でプライムに新規
大型上場できるでしょう。