銀行は、「立替金」、「仮払金」、「短期貸付金」、「長期貸付金」
などは不明朗な科目として嫌います。そもそも大手企業の決算時に
は、必ず「立替金」、「仮払金」を精算します。むしろ精算させら
れます。長期出張などをおこなっている担当者は大変です。なかに
は海外出張もあるので手間がかかります。海外から精算書を送付し
ていましたが、現在では、システムを使い比較的簡単に精算ができ
ているようです。

中小企業では、この点、決算時においてこれらの科目の精算などお
構いなしというか、精算の意識さえない企業もあります。これを改
善させるだけでも大仕事です。株式公開を目指す企業では、これら
の科目の精算は内部統制の点でも極めて重要なことです。

どうして銀行が嫌がるか。理由は、会社として不明朗なものや経理
処理しにくいものがこれらの科目に集約されやすいからです。長短
貸付金も大手企業で社内稟議を経て決裁されますが、中小企業では
経営者の一声でしょうか。

銀行は、その他流動資産に不明朗なものがあると理解していますか
ら、試算表や決算書において、その他流動資産をきちんと説明でき
るようにしておかなければなりません。説明できないものは、決算
前に精算しておくことです。