しばしば中小企業においても仕組化が話題になりますが、仕組みだ
けではうまくいきません。いわゆる「仏作って魂入れず」になるか
らです。大企業の場合、必然的に仕組化されており比較的うまくい
っているのではないでしょうか。仕組化(ユニット化)されている
ことは、世の中の動きに対応するかたちで仕組み(組織)や機能を
変えることが前提になっています。
中小企業には、仕組化された組織もありますが、だいたい梁山泊型
の組織でしょうか。相当な野心家か、仕方なく働いている人たちか、
にわかれているようにみえます。中小企業は、そこに未来を面白く
する要素があるのですが。。。
中小企業の組織には、大企業のような組織化は必要ありません。む
しろ創業経営者のキャラクターは大事です。自由で活発な意見や行
動を許容する度量と、組織や人を束ねる人間的な力量が、創業経営
者には求められます。
創業経営者を中心に、社員に経営を学ばせながらゆるやかな管理体
制を構築し、破壊型の突破力(人間力)もつ経営がおこなえるのは、
あくまで中小企業しかありません。梁山泊型で破壊型の突破力だけ
の企業はみかけるのですが、社員に経営を学ばせながら社員の成長
をベース成長していく中小企業は非常に少ないものです。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人
は動かじ」と。山本五十六の言葉ですが、中小企業の人材育成の要
となる言葉かもわかりません。私は、その意味を、話し合いをおこ
ない、社員の言葉に耳を傾て承認してあげ、仕事を任せてやらなけ
れば人は育たない。仕事に挑戦しながらやっている姿を応援し、見
守りながら、信頼してあげてこそ人は育つ、と理解しています。
だからこそ、創業経営者には経営のダイナミズムがあるのではない
でしょうか。大企業との決定的な違いでしょうか。