中小企業では、銀行から借入をおこないますが、借入金の返済が苦
しくなった場合など、銀行にリスケ(リスケジュール)をお願いす
ることがあります。このような経営になる根本原因は、その企業が
利益を出していないからです。もっとも、他にも理由はありますが、
多くは利益を出せない経営体質から抜け出せていないことによるこ
とが多いのではないでしょうか。
リスケをしない経営者の特徴は明確です。利益経営をやっているこ
とでしょう。現金・預金を積み上げていますが、私が在籍していた
企業では同族会社の留保金課税をされていました。それでも利益を
重視した経営なのです。ある日、経営者が私に話をされました。銀
行から提案されたコミットメントラインは、「やっぱりやめるよ、
経営が甘くなるから」と。経営姿勢が自らに厳しいのです。当時、
100億円を超える売上がありましたが、ほぼ無借金経営でした。
銀行取引を過大視していませんでしたので、当然、毎期利益を出し
て高い自己資本比率を維持していました。拡大期でしたが自己資金
を中心に経営拡大を図っていました。仕事は厳しかったですが、給
与水準が高く、仕事ができる人たちにとってやりがいがある企業で
しょうか。
当時、経営者は若く、多くの社員の話に耳を傾けながら経営の意思
決定をしていました。問題があれば、自ら乗り出して解決するとい
う真のリーダーシップがありました。このような経営者が経営する
企業が成長しないわけがありません。現在、当時とは比較できない
規模へ成長しています。