中小企業の経営相談のむずかしさは、大手企業の規模に近づく成
長途上の企業から個人事業に近い大きさまで様々の規模が存在す
ることでしょうか。大手企業の場合、上場していますから社内体
制は、およそできているものです。
他方、中小企業の場合、株式公開を予定するような企業であれば
社内体制を構築していきますから、大手企業のノウハウが活かさ
れるケースがあります。それでも、中小企業時代からの固有の課
題が散見さえることがほとんどです。
他方、これ以外の中小企業では、経営内容は千差万別といってよ
いでしょう。人、金、物、情報のすべてがそれぞれの企業ごとに
固有の課題をもっていることです。ですから、企業の実態を把握
しなければ経営相談などできないことになります。実態を把握す
るだけでも相当な工数になるでしょう。
私がなんども書いていますが、経営は長丁場です。1年程度で改
善できる事案もあるのでしょうが、5年程度は当たり前です。こ
のようなスタンスがなければ、企業の経営改革などできません。
多くの企業の株式公開準備みてきましたが、ほとんどが付け焼刃
です。仮に上場できたとしても、上場後経営がうまく機能しませ
ん。すぐに経営上の問題が露呈します。
小さな企業には、小さな企業の課題があり、中堅企業にも相応の
課題があります。どちらの改善や改革にも時間がかかることは同
じです。地道に経営課題に挑戦していく経営者だけが企業の成長
を掴むことは間違いないところではないでしょうか。残念ながら
経営にショートカットはありません。