企業の中には、借入金で事業を拡大する企業がありますが、
それには前提があります。好業績を維持できる経営能力とい
うことになるのでしょう。信用力につながります。
GAFAMにおいても金融財務戦略には大きな違いがあります。
Appleは信用力を活かして固定負債を大きくし、借入金を事
業拡大の原動力にしていることがわかります。
日本では、ソフトバンクグループがこのような経営をおこな
っていますが、出資していた企業が世界的な景気後退やウク
ライナ問題などの影響を受け業績が悪化することで、ソフト
バンクグループ自体も業績不振に直面しています。
借入金を事業拡大のために利用する場合、借入企業の経営体
質が強固なことが必要です。銀行は危ない企業においそれと
融資をすることはありません。中小企業が目指すのは、やは
り黒字経営を継続できる企業体質を、いかに構築するかにつ
きます。そこに信用力がつき事業拡大のための借入が可能と
なります。
自己資本比率で比較してもGAFAMは大きな違いがありま
す。中小企業庁の「平成30年中小企業実態基本調査」によれば、
日本の製造業の黒字企業の自己資本比率は平均45.5%。アッ
プルは日本の中小メーカーよりも自己資本比率が低いことに
なっています。
他方、ROEをみれば、日本の上場企業の多くは「ROE8%」
という水準をひとつの目標としているといわれていますが、
これと比較すれとアップルが実現しているROE150%という
数字は想像を超えたレベルではないでしょうか。
中小企業が、ここから学ぶとすれば、いかに付加価値が高い
製品やサービスを生み出すことができるかどうかではないで
しょうか。言うことは簡単ですが、しかし、このような意識
をもって経営しない限り普通の企業でいるしかありません。
中小企業ほど、挑戦が必要な意味がここにありそうです。
資料:田中道昭
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資料:DIAMOND Online
資料:村上茂久