仕事をしていると大変なことが多いものですが、そんななか
で数は少ないですが、よき出会いがあるものです。
リスクがある場面や問題はだいたい急にやってきます。その
件も突然でした。労働基準監督署の臨検です。臨検を前提に
仕事をしているわけではありませんので、あらゆることが後
手にまわります。また、私の経験不足から課題を残したとも
言えます。

すぐに顧問弁護士のところへいき相談すると、私は専門でな
いので専門の弁護士を紹介するよ、と。顧問弁護士も面倒見
の良い方で、今でもお付き合いが続いていていますが、この
ような関係から良いつながりができるともいえるのでしょう。

早速、紹介状をもって弁護士を訪問すると、気さくな方で話
がしやすく、こちらの事情を話すと、戦えるねと、一言。こ
こからこの弁護士の方とのお付き合いがはじまりました。良
い人間関係から仕事がうまくいく見本のようなものでした。
１年以上、毎月この弁護士の方と労働基準監督署を訪ね、労
働基準監督官と交渉を重ね、是正勧告を取り下げてもらうこ
とができました。多くの学びがある交渉だったでしょうか。

その後、私が他の会社へ移ってからもお付き合いは続き、な
にかあれば事務所に伺って相談していましたが、電話をすれ
ば、「おー、どうした」と一言。いつも気軽にお会いできて
相談すれば、帰り際に必ず関連する自分の著書をもたせてく
れるような方でした。

現在、労務問題に関係する仕事をしていなかったので、あま
りお会いしていませんでしたが、突然、お亡くなりになっと
連絡がありました。今年、事務所を訪問してみようか、と思
っていた矢先の出来事でした。
それほどお会いするわけではありませんが、人生には自分を
支えてくださる方の存在は大きいものです。しかも、気さく
で、専門知識が豊富、いつでも相談できる方で、ずっといて
くれるものだと思っていましたが、突然の別れは、私の心に
ぽっかりと穴が空いてしまいました。
事務所は、弁護士の娘さんたちを含めて引き継がれていくの
でしょうが、これまでの経験や知識を活かすことができない
と思うと、無念に感じているのは、私だけではないでしょう。
ご冥福をお祈りするとともに、ただただ感謝の言葉しかあり
ません。

人生の諸行無常を感じる今日この頃でしょうか。