企業は原則として法人税申告書を決算日から2ヶ月以内に所
轄の税務署に提出する必要があります。法人税申告書には様
々な書類を添付する必要があり、その添付書類の一つに「勘
定科目内訳書」がります。勘定科目内訳書の役割は、税務署
が企業の財産や取引状況を把握する点にあります。
私が現役時代、経理システムはかなり優れたものでしたが、
今のように、例えば弥生会計では、勘定科目内訳書や法人事
業概況説明書は比較的簡単に作成できますが、当時はこの二
つの書類の作成には時間がかかりました。現在ではデータ連
携しながら必要な情報を取りこめますが、当時はデータ連携
できる仕組みがなく、手作業でおこなっていたため、作成後
のチェックだけでも大変だったことを思い出します。もっと
も、今でも完全にデータを取り込めるわけではありませんか
ら、一部は、手作業をおこない会計データとの整合性をチェ
ックする必要があります。
税務署の目的は、勘定科目内訳書に基づき取引先などの調査
をすることです。提出された法人税申告書が企業の実態に沿
って、適正に作成されているかを確認するために作成が義務
付けられています。
勘定科目内訳書の作成は、原則として提出する企業の経理部
門が作成しますが、中小企業の場合、会計事務所や税理士法
人などが代行する場合があるため記載内容に関しては注意が
必要です。なお、法人税申告書の作成代行は税理士のみが認
められた業務となっています。
平成30年度の税制改正により二つの書類は簡素化されました
が、それでもシステム連携ができなければ大仕事でしょうか。
また、勘定科目内訳書は、資金調達を行う際に金融機関に提
出する資料の一部になりますから適正な作成が必要になりま
す。