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労働法

就業規則の重要性

私が、中小企業に在籍していたとき就業規則を作成していな
い企業がありましたが、就業規則は非常に重要なものです。
私がもっとも重要だ、と考えている点は、就業規則は労働契
約だということです。従業員が10名を超えると事業所ごと
に就業規則を作成し、労働基準監督署へ届けでなければなり
ません。

中小企業では、就業規則が労働契約書だと知っている方たち
が何人いるのでしょうか。私が入社した中小企業は就業規則
があるのかないのかさせわかりませんでした。もっとも、入
社即仕事ですから労働契約云々などどこにもないのでしょう。

就業規則とは、各事業場において労働者が守らなければなら
ない就業上の規律と職場秩序および労働条件についての具体
的内容を定め、これを使用者において明文化して、労働者に
周知し、かつ、事業場に備えつけているものをいいます。
その本旨は、⑴職務秩序 (職制 )の確立、⑵ 職場秩序維持の
ための制度、⑶職場における労働設備 (広い意味の労働条件
)の管理、⑷ 賃金、労働時間等 (狭義の労働条件 )などを使用
者が、その支配的、組織的機能に基いて制定したものが就業
規則であるとされています。
(昭25年7月31日東京地裁決定、理研発条鋼業事件 )

また、判例は、元来、労働条件は、労働者と使用者が、対等
の立場において決定すべきものである(労働基準法2条1項)
が、多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件
は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、
労働者は、経営主体が定める契約内容の定型に従って、附従
的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実情で
あり、この労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社
会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な
労働条件を定めているものであるかぎり、経営主体と労働者
との間の労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣
習が成立しているものとして、その法的規範性が認められる
に至っているものということができる。
(最高裁昭和43年12月25日大法廷判決、秋北バス事件)

このような判例により就業規則は労働契約としての効力が認
められています。わが国では従業員と個別に労働契約を結ぶ
ことがありませんから、労使双方は、先ず就業規則が労働契
約そのものだという認識をもっておかなければなりません。

【参考】

資料:採用から退職までの法律知識
弁護士 安西 愈
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