これまでわが国では、訴訟による解決はそれほど多くなかっ
たのですが、近年、労働関係、知財(海外)、株主代表訴訟
等増加傾向にあるようです。とくに中小企業では、保険等で
これらのリスクを回避するといった対応ができていません。
労働関係では、パワハラなどのハラスメントがあったとして
役員等に慰謝料などの支払いを求めて損害賠償請求が起こさ
れたりしています。
私が知っている範囲ですが、利益を出している中小企業の経
営者はこのようなリスクをお金で解決しているようでした。
金持ちけんかせずの見本のようなものでしょうか。しかし、
このような経営者ばかりではありませんから、役員を含む管
理職などが問題を起こせば、この時代、企業によっては命と
りになることがあります。
従業員だけではありません。取引先から損害賠償請求をされ
たりと、あらゆるところに訴訟リスクがあります。また、会
社法改正、コーポレートガバナンス強化の流れで企業経営者
の責任は非常に大きくなっています。役員個人に対する賠償
責任は、民法の規定によりその相続人にも及ぶことから、役
員個人としての賠償リスクへの備えが必要でしょう。
大企業並みといわないまでも相応の対応をしておくことが求
められています。企業経営とは、お金のかかることばかりで
すが、それでも世の中のお役に立つものを作り、あるいはサ
ービスを生み出していくという使命感がなければ続けること
ができないのが経営の本質なのかもわかりません。