ある企業に在籍していたときに銀行の担当者から「現在のプ
ロパー融資を返済してはどうでしょうか」と提案がありまし
た。理由は融資額を上げることができるというものでしたが、
代替提案は、増額した信用保証協会の保証付融資でした。
当時、銀行がやりそうなことだと思いましたが、借入を増や
す予定がなく、しかも保証料がつく融資ですから必要があり
ません、とお断りしました。
その時点での詳細は忘れましたが、融資額を増額しても毎月
の返済金額は同じというような条件だったように記憶します。
後で理解したことですが、これにはわけがあったようです。
プロパー融資を保証付融資に借り換えることを「旧債振替」
といって、保証協会は原則これを認めていないようです。
旧債振替が保証協会にわかった場合、企業が返済できなくな
っても信用保証協会は銀行への代位弁済を拒否することがで
きます。
銀行はこのような事態にならないように、企業にプロパー融
資を一括返済してもらい、後日、保証付融資を実行します。
プロパー融資の一括返済後であれば、旧債振替になりません。
私が在籍していた企業は、このような借り換えをおこないま
せんでしたが、銀行の営業担当者にはこのような借り換えを
勧めてくる方もいるようですから注意が必要です。