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労働基準法

労働基準監督署の解雇予告除外認定

昨日、解雇予告手当について書きましたが、その際、労働基
準監督署の除外認定制度に触れました。私は、懲戒処分によ
る解雇も経験していますが、こちらは労働基準監督署の解雇
予告手当除外認定制度を利用しました。私が経験したケース
は横領でしたが、その後、従業員が行方をくらましたので除
外認定を受けて懲戒解雇しました。もっとも、簡単に認定さ
れません。監督署は間違った判断をすれば、その人への人権
を侵害をすることになるからです。監督署は、本人への確認
など相応の対応をおこなってから除外認定をおこないます。
実務的には、従業員側に相応な非があることが前提ですが、
企業側だけの判断で懲戒解雇処分をおこなうと元従業員側
から不当解雇ということで多額の損害賠償金の支払いが命じ
られることがあります。

懲戒解雇処分は、労働者に罰を与えるための解雇のことで、
労働者に科されるペナルティの中でも極めて重い処分です。
通常、企業は労働者を何の理由もなく解雇できません。しか
し従業員としての義務や規律違反といった企業の秩序維持を
乱す者に対しては、懲戒解雇が認められています。また、懲
戒解雇された労働者は、次の転職先へ提出する履歴書に「自
己都合退社」と記載した場合、虚偽記載に該当するとして採
用を取り消されるケースもあります。

中小企業に限らず懲戒解雇については、後日、解雇された従
業員から不当解雇として会社に裁判を起こされるケースが増
えています。労基署が解雇予告除外認定をしたとしても実は
法的な拘束力はほとんどありません。そのため労働者も解雇
無効を主張するため裁判所に提訴することができます。また、
除外認定を受けたことが裁判所の判断を拘束することもあり
ません。解雇予告除外認定を申請すると、認定されるまで該
当社員の解雇ができないわけではありません。
もし企業側が認定を取ることにこだわらなければ、就業規則
に基づいて通常の解雇手続きを取ることもできます。社員が
ことの顛末を説明するときに提出する始末書や経緯書などを
書いてもらいますが、これらは解雇予告除外認定を判断する
うえで重要な書類です。明確な証拠になるので、認定されや
すくなるようです。
また、業務上横領などで金額が多額になれば、刑事告訴する
ことになります。私はこのケースも経験しましたが、横領総
額約1億円、実際の捜査で判明した横領額は500万円ほど
でしたが起訴されました。本人は部長職で企業側が調査しよ
うとした矢先、会社から逃亡し4年ほど経過していたことが
悪質だ、と実刑になりました。

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