中小企業に在籍していたとき、未払金が残っていたのですが、
取引先が倒産してしまい、この支払いが宙ぶらりんになって
しまいました。さて、どうしたものか、と税理士さんに相談
したところ、取引先が倒産した年度は未払金のままにしてお
きましょう、ということになりました。理由は、法的な請求
があることもあるでしょうから、といったような内容でした。
翌年もとくに請求はなく、その状態でしたが、決算時に処理
することになりました。
未払金の支払いがなくなったのですから、その分、企業は利
益がでたということのようです。専門的に言えば、金銭のや
り取りがなくても、法人が経済的利益を受けている場合、そ
の価値を益金としなければならない、ということです。経済
的利益として益金に該当するものは、無料でもらった資産、
その時価が受贈益になります。また、低額で資産を譲り受け
た場合、資産の時価と支払った額の差額が経済的利益として
受贈益になります。さらに、債務を免除してもらったとき、
支払い義務を免除してもらった未払金や買掛金、借入金など
の債務の額が、債務免除益として益金となります。
このような取引は、起業して日が浅い場合など、うっかり忘
れてしまうことがありますが、適正な税務処理が必要になり
ます。このような点でも顧問の税理士さんと相談しながら決
算申告を進めていくことが大切です。