昨日書きました発生主義は、損益計算書の収益と費用に関す
る原則ですが、実現主義は、収益に関する原則です。実現主
義は、ある程度確実性が増してから収益を計上しよう、とい
う考え方です。
私が経験した範囲でも売上には問題が発生しやすものです。
月末の押し込み販売などは、すぐに返品されることを前提に
おこなっていた企業がありましたが、すでにその企業はなく
なりました。売上計上を安易にすれば、売上の水増しや架空
計上など枚挙にいとまがないところでしょうか。これまでも
数々の実態が報道されてきました。
実現主義は、「収益が実現した」と考えられるときに、計上
を認めることにしています。
① 商品やサ ービスの企業外部の第三者への提供
② その対価として、現金または現金同等物の受領
「債権の受領が確定した時点」については、実現主義ではい
くつかの異なるタイミングが認められています。
「出荷基準」
「納品基準」
「検収基準」
などがあります。
もっとも、これでも問題は発生しますから、企業は、内部統
制において自社の売上計上基準を明確にしておくことが重要
です。悪いことを考える人間は、手の込んだことをしますか
ら、やはり内部監査体制を投資と考えて、常に社員へ内部け
ん制がかかるように一定の水準保っておくことです。
どのような対策をおこなっても問題が起きないことはないの
でしょうが、悪いことができにくい環境整備(内部監査)を
充実させ、被害を最小限にし、はやめに問題を発見できる工
夫が求められるところでしょうか。