先日、厚生労働省は、令和４年度の個別労働紛争解決制度の
施行状況をまとめた。都道府県労働局などに設置されている
「総合労働相談コーナー」に寄せられた相談が３年連続で12
0万件を超え、高止まりが続いている。民事上の個別労働紛
争の相談内容では、「いじめ・嫌がらせ」が11年連続で最多
となった。また、全国に379カ所ある同コーナーに集まった
相談は124万8368件で、前年度比0.5％増加した。このうち、
労働条件などに関する民事上の個別労働紛争の相談内容は27
万2185件で、同4.2％減少した、と2023.07.14 【労働新聞 ニ
ュース】が報じています。

「いじめ」というのはかなりやっかいな事態です。理由は、
いろいろないじめがあるからです。経営者からのいじめ、従
業員でも管理職が絡んでいるいじめ、さらに従業員同士のい
じめと枚挙にいとまがありません。
私は管理職が絡んだいじめにあいましたが、管理職同士で手
の込んだことをやるものです。多勢に無勢ですから、私は抵
抗などしません。運よく経営者に「解雇」を申し渡されまし
たので、さっさと退職しました。
私自身が群れをつくるタイプではありませんから、このよう
な体質の企業とは、はやめに袂を分かつことにしています。
もっとも、この企業は、退職後数年で倒産しましたから、当
該管理職たちもばらばらになっていったようですが。。。

いじめにあっている人は、まずどのようないじめの状況なの
かを把握しておかなければなりません。
経営者からのいじめは最悪です。いじめと同時にパワハラと
いったことになりますから、このタイプの経営者からはすぐ
に離れたほうがよいでしょう。その後、訴訟などをするのか、
他社を目指すのかを在籍中から検討しておくことです。この
タイプの経営者ににらまれると、結構執拗ですから人生を狂
わされてしまいます。管理職が絡んだいじめもやっかいです。
周りの管理職と徒党を組んでいるからです。経営者よりはま
しですが、会社内で孤立させられます。パワハラはありませ
んが、無視することで退職を促してきます。さらに経営者へ
取り入っていじめの対象者の解雇をおこなうなど、用意周到
でしょうか。

まじめに経営を考えている経営者は、退職者面談などをおこ
ない退職時における社内の個別事情を把握します。自社の内
部で発生している問題点をしっかりと理解しながら、人事の
異動や昇格、降格に反映しています。理由は、より良い経営
体制を構築し、企業を成長させ、規模を拡大していくためで
す。この点では極めて少ないですが、優れた創業経営者は徹
底して人を中心とした社内環境の改善に取り組んでいます。
大手企業では、人事部門などが社内における問題を把握する
仕組みを構築しおり、日常的に労務問題を把握しています。
いじめをおこなっている社員がいるような場合、信頼性があ
る情報を収集し、このような社員に対する注意喚起、あるい
は指導の徹底、それでも問題を起こすようなら、社内異動、
場合によって退職勧奨などをおこないます。

経営者は、メディアの記事を読んだら、自社の社内環境に問
題がないかどうかを検討しなければなりません。常に、自社
の経営問題として捉えることから経営の改善と改革は進んで
いくものです。漫然とメディアの記事をながめているだけの
経営者では、将来の経営が危うくなることは間違いないでし
ょう。