企業へ在籍して人事の仕事をする場合など、労働基準監督署
を訪問しますが、その理由のひとつは、労働保険の申請です。
所轄の労働局または労働基準監督署で行いますが、保険料の
納付は、郵便局や銀行などの金融機関のほか、インターネッ
ト上で行うことができます。
もうひとつは、労働災害が発生すれば、労災保険給付の請求
を申請(本人に代わって企業が申請する場合)するためにい
くことくらいでしょうか。さらに、就業規則、各種届出書の
申請のため訪問することになります。
もっとも、現在では労働保険や就業規則等の届出は、電子申
請が可能ですので、労働基準監督署へ出向いて申請する必要
はなくなっています。
労働基準監督署の仕事は、意外に理解できていないものです。
その仕事の第一は、「監督指導」です。労基法、安衛法、最
賃法に基づく法定労働条件の履行確保です。労基法等が改正
されれば、啓蒙活動をおこない、あるいは相談に対応します。
これらの法律が順守されているかどうかを確認し、問題があ
れば企業の監督指導をおこないます。労働時間に問題があれ
ば、いわゆる時間外労働におけるの是正勧告などがおこなわ
れることになるでしょう。
次に、職場の安全と健康の確保のために「安全衛生指導」が
あります。重篤な労働災害等が発生すれば調査をおこない、
再発防止対策についての指導や他の事業所への周知をおこな
ったりします。
最後に、「労災補償」をおこないます。こちらは、仕事や通
勤が原因となったけがや病気になったり、また不幸にして死
亡された場合は、労災保険給付をおこないます。
むかしは、どこの行政機関でも愛想が悪いことが多かったよ
うですが、現在では労働基準監督署を訪問して相談すれば、
労働基準法などの法律運用について、その企業の実情を確認
しながら丁寧に相談に乗ってもらえます。
真摯な姿勢で経営をおこなう意思があり、その努力をしてい
経営者は、しっかりと活用することです。活用すれば、従業
員に対する教育などにおいて的確かつ堂々とできるようにな
るでしょう。このような企業が増えてこそ、日本の雇用環境
や経営環境が大きく変わることになります。中小企業ほど、
行政機関を活用した企業インフラ構築を進めておくべきです。
無料の上、最初から正しく運用基準を導入できます。経営者
の独断ばかりでは、後になればなるほど、大きなリスクとな
って経営に跳ね返ってくるでしょう。