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建設業

建設業のさらなる課題

建設業においても2024年4月から残業上限の規制がはじまり
ます。人材流出が大きな課題となっている建設業界ですが、
来年からはじまる規制は、人材流出に歯止めをかけるために
も業務の効率化が求められているところです。
法定の労働時間、休憩、休日は、使用者は、原則として、1
日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけませ
ん。使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、
8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけ
ません。使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を
通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

どこの企業でもこの通り実施できているかは、疑問が残る
ところですが、国土交通省『最近の建設業を巡る状況につ
いて』によれば、令和3年度の建設業の年間総労働時間は
1,978時間で全産業(1,632時間)よりも350時間以上長い
結果となっています。また、平成9年度と比較すると全産
業では約255時間も労働時間を削減できているのに対して、
建設業は48時間しか削減できていません。労働時間が長く
なっているため、休日も取得しづらい状況です。国土交通
省『建設業における働き方改革』の発表では、建設業の約
65%が4週間で4日休める「4週4休」となっています。4週
間のうちに8回休める「4週8休」を採用している割合はわ
ずか5.7%に留まっています。

労働基準法は企業に所定労働時間を定めることを義務づけ
ていますが、所定労働時間を超えて社員に労働をさせる場
合は「時間外労働」となり、次のとおり上限が設けられて
います。
(1)残業時間の上限は原則とし 月45時間、年 360時間
(2)特別な事情がない限り、上限を超えることはでき
ない
(3)特別な事情があり、労使が合意する場合でも、年
7 2 0時間以内、複数月平均 80時間以内 (休日労働を含む )、
月 100時間以内 (休日労働を含む )を超えることはできず、
45時間を超えるのは年 6カ月まで、とされています。
現在、建設業については時間外労働の上限規制の適用除外
となっています。しかし、この適用除外も 2 0 2 4年 3月 31
日をもって終了します。その後はー般企業と同じく上限規
制のルールを守らなくてはいけません。

建設業界においては、大きな改革が求められているところ
です。このようなときは、どのように業務を効率化し、時
代に沿っ経営体制を構築するか、という分岐点でもありま
す。一般企業ではすでに体制が整えられていることを、少
子高齢化が進むなか国内経済が縮小していくなかでおこな
っていかなければなりません。
このように時代が大きく変わる中では、経営の根幹を支え
る経理業務が脆弱では戦う前から勝負が決まっているよう
なものです。厳しい時代だからこそ、専門家の知恵を活用
しながら自社の経営体制の転換を速やかにはかれる経営者
だけが生き残っていくのではないでしょうか。

常に、時代の流れとは、あっという間に押し寄せてくるも
のです。先送りができないのが、時代の転換点の特徴でし
ょう。

【参考】

資料:厚生労働省
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