銀行の担当者は、経営者個人の借入金を聞いてくることがあ
ります。融資をおこなうとき経営者個人に連帯保証人になっ
てもらうことが多いものです。さらに連帯保証人に個人の資
産だけでなく経営者個人の借入金を確認することで、銀行は
連帯保証人としての支払能力をみています。
一般的に住宅ローンや自動車ローン、あるいは教育ローンな
どは、普通の生活をしていれば必要になる借入です。他方、
ノンバンクなどの高利のカードローンは必要ないローンです。
経営者が遊興費に使用していたり、あるいは会社の運転資金
に充てるために会社が銀行から借入れるだけでなく、経営者
個人として高利の借入をおこない会社へつぎ込んでいる場合
があります。
高利の借入に手を出している場合、資金繰りがひっ迫してお
り、銀行が融資をおこなうことは、融資の貸し倒れリスクが
高くなります。私が在籍していた企業は、まさにこのような
状況で銀行から融資がおりませんでした。企業(事業)を売
却することで倒産を免れましたが、間一髪でした。銀行から
すれば、このような状況で融資をおこなうわけがありません。
経営者個人の借入を聞く次の理由は、経営者がウソをつく人
間かどうかを判断するためです。銀行は個人信用情報機関に
加盟していますから、個人の借入情報を取得できます。銀行
にウソの報告をすれば、銀行からの信用を失うことになりま
す。特にウソをついて銀行からの信用を失うことがないよう
に正直に話をして可能な限り、高利の借入は解消しておくべ
きです。