中小企業経営者には怒涛の如く経営を取り巻く法改正の波が
押し寄せています。これから経営が楽になることはないと、
考えておいたほうがよいでしょう。少子高齢化、資源高、円
安、各種法改正、制度改正等、コロナなだけでなく経営環境
を取り巻く状況は厳しさを増してきます。社会保険関係も法
改正が進み、短時間労働者の社会保険加入条件が大きく変更
されてきました。来年10月、さらに変更されることになって
います。具体的な内容は、下記資料を参照してください。
短時間労働者(パートタイム労働者)とは、同じ事業所で働
いている正社員に比ベて労働時間が少ない労働者のことをい
います。このような、パートタイマーやアルバイトといった
短時間労働者は、正社員の1週間の所定労働時間および1力月
間の所定労働日数の4分の 3以上働いていれば社会保険の加
入対象となります。
たとえば、正社員の所定労働時間が週 40時間の場合、週30
時間以上働いており、かつ、1カ月の所定労働日数も4分の3
以上の短時間労働者であれば、社会保険の加入対象となりま
す。雇用保険については、31日以上引き続き雇用されること
が見込まれ、1週間の所定労働時間が20時間以上の人は加入
対象です。
短時間労働者で上記の社会保険加入条件に該当しない場合は、
基本的に労働保険のみ加入し、社会保険に加入することがで
きません。
他方、社会保険の被保険者数が多い企業で働いている短時間
労働者は、一定の要件を満たせば社会保険に加入することが
できます。この事業所のことを、特定適用事業所といいます。
特定適用事業所は、1年で6カ月以上、短時間労働者を除く人
数で厚生年金保険の被保険者数が100人を超えることが見込
まれる事業所が該当します。
また、厚生年金保険の被保険者が 100人以下の中小企業であ
っても、労使合意(働いている人の2分の1以上と事業主が社
会保険に加入することに合意)がなされている場合は、一定
要件を満たすことで社会保険の加入ができます。労使合意に
基づいて事業所が申出をすることで、任意特定適用事業所と
なります。
短時間労働者の社会保険加入につきましては、2024年10月に
さらなる変更がありますので、十分注意しながら対応するこ
とが求められます。2024年10月から従業員51人以上の規模の
企業が対象になりますから、中小企業でも対策が必要なとこ
ろが増加します。ここも専門性が必要になりますから、社会
保険労務士さんと相談しながら進めていかれることが大切で
はないでしょうか。矢継ぎ早というほど、はやくて多くの分
野で改正等がおこなわれています。私たちの世代からすると、
時代が変わったということを、本当の意味で認識することが
できます。