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経営管理

工事延長時の問題

建設業の工事は、長期、短期工事様々ですが、工期の延長は
問題がでるところです。理由は、必ず工事原価が増加するか
らです。工事受注企業では、工期の遅れがないように管理し
ていますが、工事の延長は、しばしばみられます。工期延長
の場合、先ず契約書を確認することが重要です。滞留工事に
関しては契約金額が高いものから抜き打ちでチェックします。

工事原価を資産計上している場合、工期延長分の未成工事支
出金も併せて計上されています。中小企業では、必ずしも建
設業会計をおこなっておらず製番管理(プロジェクト管理)
ができていないとろも多く、工期を延長した工事分の未成工
事支出金を確認することは容易ではありません。

建設業では、先ず工事別(プロジェクト別)の工事原価管理
をすることが求められます。さらに可能であれば、工事別の
予算管理をすることでしょうか。毎月、工事進捗における工
事原価の差異をチェックしておくことが重要です。それでも、
なお、工事が延長するようであれば、工事延長の理由、追加
工事の売上高、あるいは工事原価の修正等の決裁を得ること
になります。

建設工事は、工期が長くなり、工事をはじめてわかることも
あるため、工事内容自体が流動的になる場合があります。そ
のため、追加の変更工事が生じやすくなります。原則は、追
加変更工事の都度、変更内容や工事代金を書面で明らかにす
ることができればよいですが、現実は、追加変更工事の確認
が工事現場で、その都度、口頭で行われることも多いことか
ら、契約書を作成することなく追加変更工事が進んでしまい
問題を残すことになります。

追加工事契約が成立したとしても、追加工事代金が発生する
には、「発注者と施工業者が、当該工事を有償とする合意」
をしたことが前提です。この合意を、「有償合意」といいま
す。有償合意は、明示(書面等)に限らず、黙示(口頭など)
の合意でも認められます。また、追加工事に関する具体的な
金額まで合意する必要はありません。具体的な金額について
合意がない場合には、当該工事に関する相当代金額を追加変
更工事代金とする旨の合意があったと解されることになりま
す。

建設業では、自社の工事技術水準を高めて常に受注側が優位
な立場で工事ができるように全社的に取り組む必要がありま
す。工事技術は、付け焼刃が効きませんから、日ごろから相
当意識的に事業の課題を把握し、できる範囲から着実に自社
優位の技術ポジションを築くことです。建設業の工事の仕事
は、人間が中心となっておこなう前提で仕組みができていま
す。その意味では、小さな企業のうちからコツコツと、人材
育成を進めていきながら、同時に、組織機能を作っていくと
いう地道な作業です。

【参考】

資料:HOW ROAD TO 工事業
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