企業において仕事をしていると、そもそも意味をよく理解し
ておこなっているのか、甚だ疑問が残るところでしょうか。
経理業務はお金の管理や計算を行うイメージですが、「経理」
とは、元々は「経営管理」の略なのでした。会社が事業を行
っていくうえで当たり前に必要な機能です。企業が「経営管
理」をどのように捉え、考えるかで、現場の業務内容のやり
方も大きく変わるかもわかりません。
通常は、経理といえば金勘定だけやっているように思われて
いますが、本質から言えば、企業全体のことに関して理解し、
経営を管理していく仕事です。その意味では、総務や人事な
どを含む広い概念で捉えておいたほうが、経理部門で仕事を
している人にとっては、より経理の本質を理解できるのでは
ないでしょうか。もっとも、多くの人たちは、金勘定だけや
っているようですが。
大企業でも経理に配属された新入社員は、金勘定のつまらな
い仕事をやらされるということで、しばしば早期に退職する
ようですが、経営者や管理職の人たちは、経営全般をみて管
理することをお教えなければなりません。なんといっても経
営とは人を中心とした総合力が求められる活動だからです。
今日、専門性が重要視されていますが、私は、法律事務所や
監査法人、あるいは企業のなかで特殊な専門分野を担う部署
における専門性を否定しませんが、高度の専門性が必要なポ
ジションは限定的だ、と考えています。
経営者という職種は、部門という塹壕から出てきた途端、ゼ
ネラリストとしての幅広い経営マターを知り、多くの知識と
経験活かしながら事業を引っ張っていくという独自の力を発
揮しなければなりません。若いうちから可能な限り多くの分
野の経験と企業のなかで人がなにをおこなっているか、とい
う現場感覚を体得しておくことが重要です。理由は、日本の
企業社会では、プロ経営者によって経営するという仕組みが
なく、プロ経営者によって好業績を上げることは稀だと考え
るからです。
とくに好業績を叩き出す中小企業の経営者ほど経営管理(経
営全般について)を理解しています。当然、経理の意味を経
営管理と知り経営をしていますから、あらゆる課題に挑戦し、
事業を拡大することができるのではないでしょうか。しかも、
高度な専門性を有する専門家をうまく活用して企業を大きく
成長させています。