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契約

契約の目的を理解する

仕事をしていれば、営業部門や管理部門にかかわらず、なん
らかの契約をすることがあるでしょう。営業などでは、継続
取引契約をすることがしばしばあります。
売主と買主の双方の間で「繰り返しの売買になるので統一的
な条件を決めておく」ことがひとつの目的です。契約の対象、
決済条件などの売買の要素となる条項のほか、契約内容に不
適合が生じた場合(民法562条1項「追處請求権」)の措置、
契約期間、契約解除事由、不可抗力条項、反社会的勢力排除
条項等の一般条項(一般的に同種の契約書には必ず規定され
ている条項のこと)として常に検討しなければならない条項
があります。

それだけではなく、売主か買主かによって、次のような契約
の目的が生じることがあります。売主の場合、販売量を設定
したいのか、販売金額を決定したいのか、販売テリトリーを
指定したいのかなどがあります。
買主は、商品の一定量を設定したいのか、購入価格を確定さ
せたいのか、販売テリトリーを確保したいのかなどがありま
す。このように企業が求める契約目的は的確に契約条項に反
映させる必要があります。
例えば、売主であれば、買主の販売期待度が高い場合、当然、
買主に一定数の買取義務を求め買取予定額の提出義務を課し、
また、地域ごとに販売店を指定し全国的な販売展開をしたい
場合、特定の販売エリア以外での販売制限など、販売目的に
応じた条項を検討し、設定することになります。

買主であれば、売主によるー定数量の売渡義務、価格変更に
際しての協議義務ないし、一定期間内の価格変更の禁止、仕
様変更又は生産中止の場合の一定期間内の通知義務、買主の
販売エリアにおける売主ないし他の販売店の販売制限などの
条項を検討することになります。
これらの条項内容は、どのような継続売買契約でも規定され
ているわけではありません。あくまでも、必要に応じて双方
の交渉によって合意を目指す、特別条項です。契約条項には、
一般的に、どのような契約書でも規定される条項、いわゆる
基本取引契約と、特定の契約目的を達成するために特別に合
意される条項である個別契約があります。前者は、条項記載
の漏れがないよう、後者は内容の記載に漏れないようにして
おかなければなりません。

私が在籍していた企業は競争力がない製品を作っていました
から、契約書など、どこにあるのか、といった状態でした。
販売に関してどれほど苦労したことでしょうか。外資系企業
のように契約書に基づく販売がしてみたい、と思わずにはお
れませんでした。本当の意味で契約に関することに携わった
のは、ソニー子会社時代でしょう。やはり企業というところ
は、付加価値があり、競争力がある製品やサービスを生み出
さなければ、契約内容のひとつをとっても有利に運ぶことは
できません。契約書以前に、いかに力強く成長力があり、他
社が真似できないサービスや製品をもてるかどうかが、企業
が競争優位に立てるどうかの生命線です。

【参考】

資料:IT企業法務相談所

 

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