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経営

足腰が強い企業

私は、いろいろな企業で仕事をしてきましたが、足腰が強い
企業とはどのようなものか、と少し理解できるようになりま
した。多くの企業は、足腰が弱いようです。足とは、利益を
生み出す力でしょうか。腰とは、人、金、物、情報などを束
ねて管理していく力です。企業という生き物は、この足と腰
の両方の力が必要だ、と確信しました。

利益を上げる力が強い企業はありますが、継続的に利益を出
し続ける企業は、それほど多くはありません。企業にとって
最初の挑戦は、なんといっても利益を確保できるかどうかで
はないでしょうか。この前提に、腰である管理体制をいかに
構築できるかが、企業発展における肝ではないか、と私は考
え続けていました。また、企業が失敗する部分は、この管理
力のところでもあるような気がします。とくに、今年は、未
上場企業の不祥事が続いていますから、多くの方が、この点
の理解をすることが容易ではないでしょうか。

企業が継続的に発展するための根源的な能力は、自社のサー
ビスや製品を生み出し続けることができる人材がいて、しか
も、世代を超えていくことできることでしょう。その結果、
企業や製品のブランド力に行き着くのかもわかりません。
その一方、企業が時代を超えて適法に事業を継続的に運営し
ていく能力が腰にあたる管理力ではないか、と私は考えてい
ます。今、話題の企業では、管理力が機能していないのがよ
くわかります。管理力も、企業の成長ステージのなかで長い
時間軸が必要なことは言うまでもありません。そこに人が継
続的にかかわることで、より品質が高い経営ができるように
なるようです。もっとも、人がかかわることで駄目になる企
業もあります。その差がなにかは、管理力の中身そものでは
ないか、と私は考えています。

管理力の違いは、どこから生まれてくるのでしょうか。私が
みてきた範囲ですが、先ず仕事の品質が強烈に違います。私
が在籍した企業では1社だけでした。やはり仕事に対する長
い歴史的な背景があります。いつの時代でも社員はそれを黙
々と基本通りに進めていく力があります。他社と明らかに仕
事のやり方が違います。仕事が緻密でしょうか。一見すると
生産性が悪いように思えます。それでも、それしか知らいと
いう姿勢で仕事を進めます。実に愚直なのです。よき成功体
験が時代を超えて、社員のなかで連続性となっていました。
だからでしょうか、今も稀有な企業であり続けることができ
るのだ、と。

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