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コーポレートガバナンス

品質不正の問題も根が深い

近年、大手企業の品質不正もしばしば報道されますが、
その原因は、昨日書いた問題と同様な原因があります。ただ
し、プラントの爆発などと違い、品質の不正は、明確なデー
タなどの客観的な証拠があることです。この点で不作為では
なく、故意に不正をおこなっており、企業経営からすると不
正を隠ぺいする悪質な行為です。行政罰や刑事罰を伴う行為
ですから社会性の点からも大きく糾弾されます。
詳しくは、品質不正企業リストを参照してください。

このような品質不正が発生する理由は、経営マネジメントに
あります。どこの誰が指示しているのかわからないように隠
ぺいされていくようです。ここが日本企業のもっともわから
ない点でしょうか。品質不正は、全体の不正からすれば、一
割程度のようですが、人間の生活の安心や安全を脅かすこと
で社会の批判を浴びやすく、企業のブランドイメージを大幅
に棄損します。

会社の経営目標は売上と利益で示されますが、その目標を達
成できても、翌年、さらに高い目標を課せられます。十分な
余力があれば、いわゆる人やお金が十分にあればよいのです
が、だいたい毎年予算や工数を削減されたり、あるいは外注
費を減らされたりと、無理な仕事の連続となっており、業界
のライバル企業との競争は、さらに厳しさが増していくよう
です。

このような切羽詰まった状況の中で品質不正が行われていた
ようです。メーカーの場合、検査部門がコスト削減などで縮
小されやすく、生産力に比べて脆弱な検査体制では適正な検
査ををこなすだけの余力がありません。苦し紛れに資格のな
い人が検査をしたり、検査をしたかのように見せかけたりし
ます。自動車メーカーの無資格検査や大手電機メーカーの検
査不正が典型的なケースでしょう。

このような実態は、経営層は理解しているはずですが、日本
的な経営体質は、次々と先送りしていきます。そしてあると
き、プラントの爆発事故と同様に企業リスクとしてが吹き出
します。日本的ガバナンスは、このような実態からみるとも
はや破綻しているのではないでしょうか。その後もエンジン
の検査不正などへと続きますが、痛い目に合ってかわるの
でしょうか。やはり外資系企業と合併し、経営マネジメント
が変わらなければ、日本企業の経営改革はむずかしいのかも
わかりません。

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