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融資

融資を増やしてほしい

銀行から融資を受けていると、3月末、あるいは9月末に、銀
行から「融資を増やしてもらえませんか」と頼まれることが
あります。銀行の担当者は、日々営業成績を上げるために行
動していますが、融資量の増加という営業目標が大きくなる
時期は、3月と9月のようです。銀行では半期ごとに営業目標
が割り振られているようですので、銀行の決算期は3月、半
期では9月ですから、期末と半期末の融資量の残高を大きく
するための重要な時期なのでしょう。

私が経験した範囲ですが、銀行員の担当者から平残(平
均残高)が重要なんですよ、と話してました。
その理由は、次のようなものだったように記憶します。
銀行では、平均預金残高と平均融資残高を算出してチェック
しています。期末(3/31)融資残高を大きくしておきたいの
で、3月31日をまたいで一時的に融資を受けてほしい、と依
頼を受けていました。

もっとも、月末残高より、銀行が利益を出すために本当に重
要なのは平均残高のほうだそうです。銀行の収益源は、融資
のように企業から受け取る利息です。利息は、1日1日の融資
残高に対して銀行が受け取ることができるものです。

例えば1,500万円を、金利1.5%、4月1日に借り入れ、途中返
済なく、半年後の9月30日に一括返済した場合。その融資に
より銀行が受け取る利息は1,500万円×1.5%×(183日÷365
日)=11万808円、他方、銀行から頼まれて、1,500万円を
金利1.5%で、3月31日に借り入れて4月1日に返済した場合、
銀行が受け取る利息は、1,500円×1.5%×(2日÷365日)=
1,233円です。

前者の方が、銀行が受け取る利息は圧倒的に大きく、月末残
高のような一時的に残高を引き上げるよりは、一定期間にお
ける平均残高の方が、銀行が利益を出すためには非常に重要
なことが理解できます。

それでは、なぜわざわざ期末に一時的な融資の依頼がくるの
でしょうか。その理由は、期末残高も、大きければ翌期から
の平均残高に寄与します。また、銀行は、対外的には期末残
高が銀行の融資量を表すので見栄えが良いということも背景
にあるようです。銀行は、平均残高と期末残高の両方を営業
目標として活動している、と言っていた思います。

企業は、このような銀行の内情を理解してあげながら、期末
の融資を受け入れるなど、銀行に協力できる範囲で企業自ら
も借りれを増やすことが大切です。このような協力ができる
関係は、銀行や担当者と取引がうまくいっているときですか
ら、そのチャンスを活かして稼げる会社づくりをしていく
ことが重要です。必ず計画的に進めてください。銀行の言い
なりだけでは、企業は成長していきません。

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