現在でも建設業は、事故などの問題を発生させていますが、
国を挙げて変わろうとしている業界ではないでしょうか。
むずかしい業界ですが、システム化に本腰で取り組みはじめ
ましたし、労働時間の問題にも遅い対応でしたが、本腰を入
れ始めました。
昨日、工事別の原価管理について簡単に書きましたが、原価
管理にはさまざまなメリットがありますが第一の目的は利益
を確実にあげていくためです。
原価管理のためにやるべきことは「計画」と「比較」です。
このたった ふたつのことだけをすれば原価管理の目的を果た
すことができます。
全社員を対象に原価管理に参加させてこなかった会社にとっ
ては、結構ハードルが高いものです。あるいは、社長が原価
管理を全社員と共有しようとしても簡単にはいきません。
この問題をクリアするには、原価管理を通して社員教育をお
こないながら、経営活動の目的を教えていくことが必要にな
ります。とくに利益が、どのような構造になっており、どん
な対策をすることで増やすことができるのか、ということを
全社員で共有する必要があります。
会社の利益は会社にとって未来をつくるためのものです。
会社とともに、社員の未来も利益を上げることからしか生ま
れません。同時に、会社や社員の存在が、未来を支えるすば
らしい公共工事を受注できるような会社したい、あるいは社
員が安心して働ける会社でありたい、社会に意味のある貢献
がしたいなど、会社がもっているビジョンがしっかりあれば、
ある分だけ、利益は重要になります。利益がなくては、その
実現はむずかしいからです。
大規模な公共工事を受注したいのであれば入札に参加する必
要がでてきますが、そのためには経営事項審査で一定の
評価を得ることが必要です。経営事項審査の良い評価を得る
には会社の経営規模や技術力、社会性など複数の項目で高い
レベルを確保し、また、継続的に高い利益を獲得する必要が
でてきます。
中小企業では、規模が小さな時代においても、将来どのよう会
社にするか、という経営者の意識がすべてです。出発点がそこ
にあるからです。あとは、勇気をもって原価管理を活用し、全
社員の指導と教育をおこないながら経営情報を共有することで、
着実に利益を出すことができる企業をつくっていくことが可能
となります。
国を挙げて変わろうとする建設業界においては、今が自社の改
革のチャンスです。
個人事業主さんでも変わろうと努力されています。努力をしな
い企業には、厳しいですが、未来は来ないでしょう。