大手企業、とくに上場企業では、内部統制制度の構築が
上場の必須要件になっていますが、経営者は内部統制を理解
できいるのでしょうか。
理由は、これほど多くの企業から不祥事が、続々と発生して
いるからです。
内部統制を簡単に書けば、内部統制は、次の3つの目的
を持っています。
① 業務の有効性・効率性
② 財務報告の信頼性
③ 法令遵守
①業務の有効性・効率性とは、経営資源を効果的かつ効率的
に使用することを意味しています。
他の言葉にすれば、無駄をなくして企業目的を達成できてい
ることでしょうか。
②財務報告の信頼性とは、ルールーに基づく信頼がおける財
務諸表を作成し、公表することです。
③法令遵守とは、企業活動において該当する法令を遵守する
ことです。
内部統制の目的は、企業の組織(経営職、管理職、社員)は
法律を守りながら効率的な事業運営をおこない、その結果と
して適正な財務報告がおこなえて、最終的に適法な活動に基
づく正しい利益を上げられる体制にすることです。
私は、経営者はこのことだけ理解できていればよいと思って
います。
ただし、それを実現するための機能をどのように構築するか
が経営者の本当の能力です。残念ですが、日本企業の経営者
は無能だということが、次々と発生する不祥事でわかってき
ました。
中小企業の経営者は、内部統制がわかれば大企業になれます。
無能な経営者によって極端なコスト削減などなりふりかまわ
ず無謀な経営をおこない、法律を破り、見せかけの利益だけ
大きくなったのが、今の大企業だからです。
また、過去の実績に胡坐をかいているのが、現在の経営者た
ちでしょう。
中小企業が挑戦しないことが、私にわかりません。ベンチャ
ー企業だともてはやされている経営者であってはなりません。
これからの中小企業の経営者は、内部統制の3つの目的
をしっかりと理解できる経営者になってください。そのうえ
で、独自性と実効性ある管理機能(体制)を作れるかが勝負
なのです。