ダイハツの不祥事、私に言わせれば犯罪ですが、不祥事を起
こす企業が上場企業ですから驚きです。上場企業であれば、
内部監査機能があり、適宜、監査がおこなわれ適法な事業運
営がおこなわれることが前提になっていると思います。
内部監査機能はないと証明しているのが、ダイハツをは
じめとする上場企業の不祥事の特徴です。
いわゆる内部統制の形骸化です。当然、その形骸化は、車づ
くりをも形骸化してしまうという大胆ものではないでしょう
か。私には、驚き以外にありません。
開いた口が塞がらない、とは、まさにこのようなときに出る
言葉でしょう。
社員の自由度と内部監査は、相関関係があると、私は考えて
います。理由は、ソニー子会社における経験からです。
その前に、ソニーにおける内部監査制度は、私の言葉では、
強烈のひとことでしょうか。このような体制で内部監査制度
を構築しているのか、と驚愕しました。
あえて書くことができませんので、書きませんが、他の企業
がおこなっているような内部監査制度とは格段にレベルが違
うでしょう。相応な人材育成と投資がおこなわれています。
絶対はないでしょうが、高い水準で悪いことができない仕組
みができあがっています。
内部監査制度については、いろいろな方が解説をし、多くの
ことが言われています。
内部監査部門の独立性、内部監査担当者の専門能力、専門職
としての正当な注意など、多くの本で解説がされていますが、
では、実際にどのように独立させ、専門能力を育成するのか
といった具体的な方法がないのが、現在の日本企業の内部監
査制度ではないでしょうか。
企業によって内部監査制度の運用は、大きな開きがあるのが、
日本の上場企業の特徴です。
私は、ソニーの社員が自由闊達に仕事ができるバックグラン
ドに内部監査制度の運用があると考えています。社員の自由
度があがれば、社員個人の判断で物事が進められることが多
くなります。
そこで、会計における問題点は会計監査によって改善させま
す。また、各業務においては、業務監査で問題の指摘と改善
をおこないます。さらに情報システムにおける問題は、シス
テム監査で対応します。
内部監査部門は、強力な独立性が担保されていますから、相
応な強制力をもっています。
内部監査部門からの指摘に対して問題点を改善できない子会
社の社長がいれば、内部監査部門からの指摘によって取締役
を解任させられると、聞きました。また、各部門の責任者に
問題があり、指摘事項が改善されなければ、降格、異動とな
ります。
社員が自由を謳歌すれば、それに対応する責任は、当然社員
に生ずるのです。このバランスのうえに、ソニーらしい経営
は成り立っていました。
日本企業で、このような内部監査制度を作る意気込みがどれ
くらいあるのでしょうか。
その意気込みがなく、形骸化させた内部監査では、お金はか
からないでしょうが、経営者の独善的経営を払拭することも
できません。むしろ経営者の暴走を助長させているのではな
いか、と私は考えています。