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不正

経理責任者の不正は驚くような方法でおこなわれているものです

私も業務上横領の事件を調べたことはありましたが、他
社の経理の事例をみると、横領をするためのスキームには驚
きまします。
私のようなめんどくさがり屋では、とてもこのような手口を
考えるだけでも嫌になってくるでしょう。
犯罪をおこなう人物は、まわりの状況をよく把握し、そして
自分でおこなうことができ、まわりから簡単にチェックされ
なければ帳簿の改ざんなどあっという間にやってしまうよう
です。

私が在籍していた企業でも、大きな金額の横領になるほど管
理職や経営職が犯罪をおこなうものだ、と教えらえました。
やはり権限が集中することであらゆることができるようにな
るからです。
中小企業でも同じですが、経営者と経理責任者だけで実務を
おこなっているようなケースは危険です。
だいたい経理担当者や責任者を信じて、経理業務を担当させ
ているからです。
無防備なのです。

事例を読んでみると、そもそも採用した経理担当者には借金
があったこと、当初は、管理部長と経理課長の下で経理を担
当していたが、管理部長が他の部門へ異動、さらに経理課長
が退職するなどして、経理を任せられるようになっていまし
た。
このときの直属の上司は社長であり、この経理責任者との間
には誰もいない状態でした。

このような状況を把握して不正行為はおこなわれていたよう
です。その額は約4億円です。
私からすると、この頃目にする横領金額の大きさには驚くば
かりです。
不正行為の内容もこの手の犯罪のオンパレードです。

不正な会計処理により帳簿を改ざん

買掛金を利用した架空取引

仕掛品・製品を過大に計上(買掛金の架空取引の隠蔽)

預金の着服

このような横領が大胆におこなわれる背景は、内部牽制がま
った効かない社内体制になっていることです。
創業経営者によくみられるような仕組み軽視、人間信用パタ
ーン型でしょうか。
この手の経営者はやり手であり、とにかくせっかちなことが
特徴です。経営手腕が高く、経営能力は高いのですが、いか
んせん管理能力は恐ろしいくらいない。ないというよりは、
時間がかかるような管理など必要ない。自分が一番わかって
いるという夜郎自大的な意識でしょうか。
その発覚は、税務調査というのですから、泥棒を経理責任者
にしていたいうことです。

中小企業では、規模にかかわらずこのような体制で経理をお
こなっている企業はたくさんあるのではないでしょうか。
問題が起きていないのは、採用した人たちが、悪いことに手
を染めなかったという運がよかっただけでしょう。
私がみてきた企業では、違法ではありますが経営者が入社前
に借金の調査をかけていたところがありました。問題がある
人間は不採用にしていました。
このくらいのことは、上場企業でなければ企業を守るうえで、
当然チェックしておくべきことかもわかりません。
私は、あくまで内部牽制がかかる仕組みの導入を進言してい
したが、聞く耳はありませんでした。
しかし、上場を中止しましたから、経営者の裁量の範囲で採
用前チャックをしているのでしょう。
この企業は、着実に成長していますから、経営者の手腕は相
当高いと思われます。

いずれにしても中小企業ほど、なにかの手段を講じて経理不
正に対策をしておくことが求められているのは間違いないと
ころでしょう。

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