私がみてきた中小企業では、銀行の支店長があいさつまわり
にきていたところは3社くらいだったでしょうか。私は、そ
れほど多くの支店長にお会いした記憶がありません。
多くは融資がうまくいき、銀行取引が安定してきたタイミン
グで支店長がこられていたように記憶します。
担当者の細やかな対応のおかげで取引はうまくまわっていく
ものです。支店長も大切なのですが、銀行の担当者は、見
た目以上に力をもっているものです。
支店長があいさつにきたい、と言われると、なんの用事だろ
うろと考えてしまいますが、担当者へ聞けば、表敬訪問です、
と言われたようでした。
だいたい業績がよい企業や大きな投資案件があるようなとき
にきていたように思います。
銀行の担当者から教えてもらった内容では、二つの理由があ
るようです。
ひとつは、支店長が変わった場合などに融資先へあいさつま
わりをしている場合です。企業を訪問してきても滞在時間は
5〜10分程度と短いことがほとんどです。
支店長があいさつに来るようなったときは、企業が銀行から
、そこそこ重要視されているというくらいの認識でしょうか。
もうひとつは、銀行の方針や体質などにも関係があるのかも
わかりませんが、支店長のなかには積極的に融資先の社長と
交流をおこない、多くの会社のことを知ろうとするタイプの
方がいるようです。
事業内容や事業への取り組み、あるいは商品やサービスにつ
いて理解するために行動する方です。
店舗や工場など、具体的に事業を把握しようとします。
融資先企業のことを知ろうとするときは、長い時間をかけて
企業を訪問するはずです。
経営者は、このような機会をとらえて、自社の特徴などを強
くアピールしておくことが大切です。
支店長直々に、企業を理解してもらえば、その後の融資審査
に良い影響があるでしょう。
また、支店長によっては新たなビジネスの紹介や融資の話を
してくることもあるようです。
もっも、業績や財務内容が悪い会社に対して、支店長が訪問
してくることはないようです。
融資の回収の話などは、担当者か支店内の融資係が行うこと
が定石でしょうか。
どのような銀行でも支店長は融資をおこなう責任者です。
支店長決裁の融資案件は、支店長が最終決裁者となるようで
すから、本部決裁の融資案件といっても、支店長を通して本
部へ稟議書が送られのでしょう。
そのため支店長の訪問を受けた場合、たとえ表敬訪問でもあ
っても企業の特徴を簡単に理解してもうらためのパンフレッ
トくらは、常に用意しておきましょう。
よい仕事をしている企業ほど、時間を大切に利用しています。
短時間で企業の特徴を知ってもらっておくことが重要です。
他社と違う点など、簡潔に伝えておくことです。
そのような不断の努力の積み重ねが企業を成長軌道へ導いて
いきます。
よい経営者ほど、これでもか、というほど、自社の経営努力
をされていました。