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労働組合

団体交渉と不当労働行為の関係について

会社側が組合による団体交渉の申入れを正当な理由なく拒む
と、不当労働行為として違法行為になります。
(労働組合法7条2号)
団体交渉を申し入れている組合が、外部の労働組合であ
っても同じです。
いわゆる外部のユニオンから団体交渉の申し入れがあれば、
正当な理由がなく、団体交渉を拒否すれば不当労働行為
となります。
私が在籍した企業では、私の入社前に、経営者によって団体
交渉を拒否したことから不当労働行為の事実が認定されまし
た。

団体交渉を拒否することができる正当な理由とは、すでにそ
のテーマについて団体交渉を尽くした結果、労使間で譲歩す
る余地が全くない状態に至っているにもかかわらず組合から
団体交渉を求められるというような場合か、あるいは、すで
に裁判で決着した問題について団体交渉を求められるケース
などに限定されます。
退職に向けた話し合いについてユニオンから申し入れられた
団体交渉を拒否することに正当な理由が認められるというこ
とは、一般的には考えにくいところです。

ユニオンから、団体交渉のテーマに正当な理由があり、それ
らの関連資料の開示を求められたときは、会社は必要な資料
があれば開示に応じなければなりません。
私は、人事評価内容に関して、経営の専権事項として、一旦
拒否したことがあります。再三、組合から重ねて開示要求が
あったので開示しました。
従業員の人事評価に関しては、企業の人事評価制度に準じて
運用しているため、資料を開示後、組合からそれ以上の要求
はありませんでした。
人事評価の内容は、経営の専権事項であり、人事制度に基づ
き各従業員の評価をおこなっているからです。
そのため単に当該社員の人事評価資料を開示したにすぎませ
ん。
評価資料を拒否すれば不当労働行為に該当することもありま
すから慎重な対応が必要なところでしょうか。

いろいろな要求が出されますが、通常、経営判断に関する内
容や経営介入に当たるような要求に応じる必要はありません。
もっとも、労働基準法違反になるような事実があれば、調査
確認のうえ、善処する旨、回答します。
当然、社内調査をおこない労働基準法違反の事実があれば、
すみやかに改善します。
団体交渉の席では、改善した旨、回答することになります。
また、そのような違反の事実がなかった場合は、その旨、
回答します。

双方、労働基準法を前提とした交渉が多いので、労働基準法
を理解している人事担当者であれば、交渉の担当はできます
が、組合によってはいろいろな揺さぶりをかけてきますから、
その前提となる交渉術を、人事担当者は学ぶ必要があるでし
ょう。

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