中小企業の場合、多くは経営者=株主となっていますから問
題はありません。また、身内、いわゆる奥様や子供さんなど
が株主になっていることがほとんどでしょうか。
しかし、なかには数は少ないですが、友人や知人に出資して
もらっているケースがあるようです。このような場合、後で
揉めないようにしておくとが重要です。
だいたい儲かっていても、儲からなくても、揉めることが多
いように、私は仕事で出会った方から話を聞くことがありま
した。
銀行は、決算書も見ていますが、社長個人の資質もみていま
す。さらに株主や役員もみていますから、その点を理解しな
がら銀行取引をおこなうことが鉄則のようです。
例えば社長に金融に関する事故がなくても、他の役員に過去
に金融事故がある人がいれば、銀行は、その企業にあまりよ
い印象はもたないでしょう。
このような観点からも身内以外は、役員にしない方が良いと
いう考え方があります。
また、私が実際に経験した内容ですが、私が在籍していた企
業と取引があった企業が資金繰りに逼迫し、ある人物から融
資をするといわれて、企業は融資を受け入れましたが、その
後、企業の実印を勝手に使用され、おおがかりな手形詐欺事
件に発展し、経営者は巻き込まれてしまいました。
このような事態になると犯罪となりますから、刑事事件とし
て立件されます。
普通の生活から、数年で刑務所生活へいくことになりました。
銀行は、反社会勢力などに関しては、かなり厳しく見ていま
す。万が一のことがあっても、お金を出資してくれるという
甘い言葉だけで株主になってもらったり、知人が紹介してく
れただけで役員に入れることなどは、慎重を期す必要があり
ます。企業に入れないというのが賢明な判断です。
中小企業に限らず役員には、過去に犯罪歴があるなどといっ
たことがないようにしておかなければなりません。金融機関
は、このような情報を取得しています。
結論から言えば、素性を詳しく知らない人は絶対に役員にし
ないことです。
どうしても会社へ入れたい場合は、役員ではなく従業員で雇
用するか、外部委託して外注取引にしておくことが良いので
はないでしょうか。
小さな企業ほど、他人が会社に入ると、せっかく融資できた
のに、その人の影響で融資が破綻する可能性もでてきますか
ら経営者は、このような決定をおこなう前に、銀行の担当者
などから日常的に適切なアドバイスをもらっておくほうがよ
いでしょう。