ある中小企業に在籍していたとき、経理内容をみていると、
資金繰りがそれほどよくない企業なのですが、銀行借入がで
きるのです。
理由で考えられることは、他の企業よりも借入金利が高いと
いうことがあったような気がしています。
そうでもしないと借入はむずかしい企業でしたが、経営者の
お金の才覚というか、私などが考えると、とても無理筋なこ
とをやりぬくのです。
私は問題が噴出してくると考えていましたが、私の退職後も
お金のやりくりができているようです。
それでも、仕入単価の高さと販売価格の安さのギャップから
資金が底をつき倒産するのではないか、と思っていました。
私の予想に反して今だ事業を継続されていますが。。。
経営者がおこなっていた錬金術が使えなくなること、仕入が
限界にくるのではないか、といったことが倒産するのではな
いか、と思った根拠でした。
管理面においても担当者でなければ使えないようなエクセル
を活用した借入金の管理をしていたり、支払管理も社員の個
人任せといった実態でしたが、経営者一族は、人を信用する
性格なのか、このような管理体制にとくに問題意識はありま
せんでした。
管理部門の仕事は、社員に時間外労働をまったくさせなとい
った健全なところがありましたから、社員には喜ばれていま
した。
私は経営者に気に入られなかったのか、1年弱で経理部門の
他2名の社員とともに首になりました。
この経営者は、解雇予告手当を支給してくれましたので、こ
のときはじめて頂戴しました。
もっとも、私は、首=ウェルカムでした。
管理体制が、とても危なっかしくて冷や冷やしなが勤務して
いましたから、私の退職は時間の問題でした。
それにしてもなかなかしぶとく事業を続けていかれるもので
す。まさに中小企業経営者の神髄をみるようです。
ここに書くことはできませんが、今だ、私には信じられない
ような経営をしていました。
経営は、やる気になればなんでもやれるという見本のような
経営でしょうか。
私のなかでは、ナンバーワンの不思議な経営です。
でも、やってはいけない経営なのです。