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経営管理

管理が厳しいから自由に仕事ができないなどということはありえません

しばしば管理が厳しいから自由に仕事ができない、という話
を聞きます。
私は、反対ではないか、と感じてます。
管理が、しっかりとできているから、自由に大胆にいろいろ
なことができるのだ、と私は思っています。

経営管理がゆるい企業の特徴は、大抵の場合、経営者(社長
を含む数名)が、仕事のすべてを管理していることが多いよ
うです。
私が経験した中には、驚くことに上場企業がありました。
このような管理体制には、先ず「人」を信用しないことが前
提にあり、部長、課長といった肩書きはありますが、ほとん
ど機能していません。
機能させない、といったほうが正しいでしょうか。

組織機能がなく、経営者の独断(決断だけ)で業務をおこな
っているわけですから、社員に自由に仕事をさせると、真面
目に仕事をするかどうか、不安でならないのだろう、と想像
します。
よって、必要以上に厳しく各社員へ指示を出しつづけます。
いわゆる都度管理型(気がついたとき型)、あるいは随時管
理型です。
大体、このタイプの経営者は優秀ですから、概ね指示内容は
正しいことが多いと思います。
社員のほうでも、経営者に言われたとおりに仕事をし、自分
で考えることを避けますし、敢えて仕事上のリスクを取らな
いで淡々と仕事をおこないます。
雇用関係から言えば、非常に安全な方法です。

このことは、経営管理の厳しさではなく、単に経営者個人が
厳しいだけのことです。
経営管理が厳しい企業では、当然のように毎期、短期(1年
間)事業計画を各部門の責任者が策定します。
経営方針に基づき部門責任者が自ら策定するわけですから、
方針に沿った範囲で自由に策定できます。
勿論、そのプロセスと結果に対して責任をもつことは、事業
計画を策定した本人なのですから、これまた至極当然です。

その一方で、経営方針をベースに、予算、実行計画、投資計
画など自由に決定する権限をもちます。
進捗状況(プロセス管理)は、毎月確認作業(進捗会議)が
おこなわれ確実にチェックされますが、進捗状況に問題がな
ければ、責任者は堂々としたものです。
また、四半期ごとにレビューがなされ、経過報告として問題
点や上手くいっていれば、その状況などを報告します。
多くの管理職の前で報告しますので、いい加減な内容では、
すぐにバレテしまいます。
どこの部門が、進捗率が高いのか、その内容と真実性は、確
実に把握されます。
経営層によるチェックが、垂直チェックなら、こちらは同僚
による水平チェックになります。
水平チェックのほうが厳しいのです。
理由は、お互いに業務プロセスをよく理解しているからです。

経営層や他の部門の責任者から指摘もありますが、自分が責
任者として対応していき、確実に結果(成果)をだすだけで
す。
このように厳しいチェックが入るからこそ、自由に伸び伸び
と事業を推進していくことができます。
これを厳しいという人もいますが、私は、思いっきり自由に
事業計画を策定し、実行し、チェックを受け、結果をだして
きました。
経営者だけのゆるい管理だが、なにも挑戦できない環境と、
経営管理は厳しいが、組織機能を使って自由に仕事を創造で
きる環境と、どちらを選択するか、という経営戦術レベルの
差異だ、と私は考えます。
当り前ですが、日常業務は真剣そのものです。
よい意味で緊張の連続です。
だからこそ、本当に仕事が楽しいのです。

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