近頃、ファクタリングという話を聞きますが、案外、内容を
知らない経営者がおられるようです。
ファクタリングは融資とは違います。融資であれば借入金と
して貸借対照表に反映されます。
一方、ファクタリングは売掛債権の買取 ですから、企業側は
、売掛債権残高が減り、買い取ってもらった代金が現預金に
計上されます。
融資に比べて「金利」が高いと勘違いする経営者が少なくな
いですが、ファクタリングは「買取手数料」であって「金利」
ではありません。

融資であれば金利は年利です。融資時に差し引かれる支払金
利は向こう一か月分です。ファクタリングの手数料は、買取
時に一括で取られます。
ファクタリングの場合、手取り額が少なくて面くらうでしょ
う。手数料が高過ぎるのではと、疑問や不満に思うかもしれ
ません。
売掛債権を支払い前に買い取った事業者は、売掛債権のすべ
てに責任（リスク）をもつことになります。
事業おこなっていれば、売掛債権額が満額で回収できるとは
限りません。場合によっては、倒産して売掛債権を回収でき
なくなるリスクがあります。
その場合、ファクタリング業者は、債権者から回収する努力
をすることになります。売掛債権を買取る際に債権者の支払
い余力を調査することも必要になります。
債権者側からすると商取引なのない企業へ支払うのは、まさ
に寝耳に水でしょう。簡単に応じられるものではありません。
このような理由から銀行でもないファクタリング会社の手数
料は高くなるのです。

ファクタリングで気をつけることは、ファクタリングは資金
手当てする応急措置ですから、とくに黒字倒産を避けようと
するときには有効な手段ですが、気をつけないといけない点
があります。

もっとも重要なことは、ファクタリング会社をどう見極める
かです。
ファクタリングは、貸金業法上の貸付には該当しない、とさ
れています。そのため、金融庁に登録する必要がないように
も理解されていますし、はっきりしない部分があります。
銀行のような免許制でも、また登録制でもないので、使う側
が自己責任で利用することが求められます。

ファクタリングには、「債権譲渡登記」がつきもので、債権を
譲渡したことを登記により明確にする手続です。
主に法人が金銭債権を譲渡したり、金銭債権を目的とする質権
を設定する場合に、債務者以外の第三者への対抗要件に備える
ために利用します。
この登記をおこなうことで取引の相手が保有する第三者からお
金などを受け取る権利を渡してもらうことになります。