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経営者

企業を継続的に成長させていく原動力となる経営者

随分昔の話ですが、 NHK特集で「メードインジャパン逆襲
のシナリオ」という番組が放送されました。
観られた方もいるかもわかりませんが、各企業のさまざまシ
ーンがテンポよく写しだされ、当事者へのインタビューがお
りまぜられて、コンパクトにまとめられていたと思います。

もっとも実際の企業活動は、こうは簡単ではありません。
物事の本質へ近づかないというのは、日本人の典型的な特徴
のひとつだ、と実感しています。
この特徴のために、危機的な状況になるまで、より本質的な
ところで、現状を掘り下げることがなかなかできません。
この特徴は、生産性が高く、物事が上手く進捗している場合
にはよいのですが、環境の変化が徐々におこっているような
ときには、本質的なところまで物事の展開を推論していくこ
とができないという弱点につながります。
安易に、現状(好業績など)が続くと考え、集団的かつ同化
した意識の中から抜け出せないまま事業は進行してしまいま
す。

日本人の中にネガティブな状況の議論や推論をしたくないと
いった意識構成がある、と考えています。
番組の中で、かってソニーの社外取締役であった方が「経理
を厳格にやりすぎた」ので、ソニーのDNAである「自由闊
達さ」がなくなったのだろう、という発言をされているのを
聞いて唖然としたものでした。

企業のガバナンスは、企業の永続的な成長と厳格な経営管理
という、一見すると矛盾する中で、あえて挑戦するものだと、
私は確信しています。
むしろ経営管理が厳格だからこそ、「自由闊達」に挑戦できる、
と体感したからです。
すべては、経営者(創業者)の信念と執念から出発するのだ、
と自覚できました。

課題は、このことを次代の人間にどのように伝えていくか、と
いうことです。
しかも組織的に伝えていくことが必要になります。
事例はあります。
繊維不況を脱した帝人や東レなどの企業、写真フィルム事業か
ら脱却した富士フィルム、ソニーも同様でしょうか。
それぞれの企業が組織として見事に事業転換を図っています。

社員の意識改革だけに頼っていては、このような転換は不可能
でしょう。
経営トップ自らが次代の事業を推進し、創業者と同じように成
功を勝ち取るしかないのだ、と考えます。
東レは、現在課題がでてきていますが、繊維事業をおこなって
いた企業の多くや富士フィルム、ソニーの成功事例をみるまで
もなく、ビジネスの成長は、成功体験を積み重ねて、そして継
続する以外に解はないのではないでしょうか。

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