他人の話をよく聞くことは大切です。実際、社員の話をよく
聞く経営者は、事業を確実に成長させていきました。
もちろん、自らも多くのことを積極的に学んでおられました。
実に真面目な姿勢がありました。

仕事をするうえで、すべてのことを理解しておこなっていく
ことなど、ほとんどありません。
なにか新しい施策をおこなう場合など、原理原則をベースに
実行していきます。
その際、関連する部門との間でミーティングをおこない施策
の導入に対する意見交換をおこないます。
その中ででてくる意見は、非常に貴重な情報となります。
やはり他者の話をよく聞いておくことによって、仕事におけ
るポイントを把握することが可能となります。

中小企業では、中途採用者が比較的多くいますので、他社、
特に大手上場企業で勤務経験がある社員の意見は、参考にな
ることがあります。
ただし、企業規模の違いがあり、そのまま受け入れてしまう
ことには問題があったりします。
会計処理など、企業規模による違いがあるからです。
それでもそのような意見から会計処理全般を理解する手掛か
りがつかめます。
その手がかりを元に、大手監査法人などの資料を参考に会計
処理の考え方、実務対応がわかってきたりします。

仕事の答えは、常に一つではありません。
企業規模など、複数の要素が絡み合って実務指針が決まって
います。
一見無駄なように思えるでしょうが、このようにして得た情
報によって会計処理の全体が理解でき、自社が対応すべき会
計処理の方針が確定できたりします。
その他、行政の考え方など多面的に自社のポジションを確認
しながら会計方針を決定します。

仕事とは、多くのメンバーたちと情報交換しながら作ってい
くものです。
私より一回り若い経営者でした。仕事に対しては厳しい姿勢
で臨む方でしたが、とにかく私の話もよく話を聞いていただ
きました。
社員の話をよく聞く経営とは、結果的に、経営者とメン
バーたちの話し合い通してお互いが成長するとともに、それ
ぞれの事業を成長させていくのだ、と私は確信できました。