以前、就職した息子が、学生時代のアルバイトでは、売上の
計算が簡単にでき、直ぐに利益がわかったけれど、現在、就
職した企業は、企業規模の関係でどこでどうやって利益がで
ているのよくかわからないし、自分がやっている技術部門の
仕事がどのように会社に貢献しているのか理解できていない
と、言っていたことがありました。
大企業と中小企業の仕事に対する理解の差は、このような企
業規模からくることが大半でしょう。
大企業の場合、企業に就職したが、実は部門に就職している
ようなものです。
中小企業では、営業部門、技術部門、事務部門における仕事
は、身近に見えますし、朝礼や会議などを通して、直接経営
者の話を聞くことができ、比較的簡単に企業活動の全体像が
理解できます。
大企業の場合、少なくとも数年間は、いろいろな仕事や部署
を経験しなければ簡単に理解することができないことが多い
のではないでしょうか。
どちらにしても、社員は、先ず自分の仕事を着実におこなっ
ていくことが重要です。
時間の経過とともに、また本人の仕事に対する取り組み方に
よって他の部門と連携していく仕事ができるようになります。
この点、中小企業のほうが人が少なく、しかもトップダ
ウン型で経営スピードがあり、それぞれの仕事の結果を早く
求められる場合が多かったと思います。
大企業は、事業規模の大きさとそれに対する人材育成などの
時間軸が長い分、仕事の全体的な把握はむずかしくなります。
最終的な目標は、経営的な視点で事業運営ができる能力を構
築するといった、長期的で事業規模に合った人材育成をおこ
なっています。
大企業では、それだけ中小企業に比べて人が多いことや事業
そのものの規模が大きいこと、取引先も多岐にわたり、それ
だけ複雑な要素から成り立っていると言えそうです。
中小企業の最大の長所は、規模が小さいことですから、経営
の課題や新規事業などをスピード重視で意思決定することが
できることです。
このスピードがある意思決定と実行力で大企業を打ち負かせ
ていくことになります。
案外、このことを理解できていない中小企業の経営者は多い
ものです。
なにおいても、はやく実行していくことができる中小企業の
武器はスピードです。
実行していくスピードが大企業に負けていれば、中小企業が
勝てる場面は、それだけ少なくなるでしょう。
スピードは人が意識するだけでできるものです。経営者が嫌
いなコストもかかりません。
今おこなっている仕事のスピードあげてみてください。それ
だけで生産性があがることがわかるでしょう。
仕事とは、常に徹底することでしか、よい成果は得られませ
ん。