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コーポレートガバナンス

金融庁が非財務情報を定義しているが、それだけで大丈夫か

金融庁は「非財務情報」について、一定の定義をしています。
2 0 2 1年 9月 2日にあった金融審議会のディスクロージャー
ワーキング・グループで金融庁が示した資料があります。
この中で「有価証券報告書の主な開示事項というペー
ジがありますが、金融庁は、有価証券報告書をベースに非財
務情報と財務情報の中身を図示しています。

財務情報は、連結損益計算書や連結貸借対照表などの会計書
類ですが、非財務情報は、「コーポレート・ガバナンスの状
況」と「事業の状況」、さらに「その他」の 3つに分けてい
ます。
「コーポレート・ガバナンスの状況」は、「コーポレート・
ガバナンスの概要」、「役員の状況」、「役員の報酬」、
「監査の状況」の 4項目で構成されています。
「事業の状況」は、「 経営方針」、「 M D & A」、「事業等
のリスク」、「研究開発活動」、「経営上の重要な契約等」
として5項目があります。
この中で、「 M D & A」は、management’s discussion and
analysis of financial condition and results of operations の
ことであり、日本語に直すと「経営者による財政状況及び
経営成績の検討と分析」です。
「その他」には、「設備の状況」、「株式の状況」、「配当
政策」があります。
これらが有価証券報告書の中で非財務情報にあたる項目とい
うことになります。

決算数字では表すことができない会社の組織や成り立ち、考
え方、社会との関係性を示す情報といえるでしょう。
これまでの有価証券報告書は、財務情報が中心でしたが、こ
こ十数年で、財務以外の情報の開示が急速に増えてきました。
政策保有株の銘柄とその理由、監査法人の継続年数など新し
い項目が毎年のように追加されています。

なかでも機関投資家は、非財務情報の中心であるコーポレー
ト・ガバナンスを注力しているようです。
いろいろなことが書かれていますが、私は、株主がその実効
性をどのように把握して、さらに担保していくかという具体
性ある議論が株主総会でなされる必要がある、と考えていま
す。

この点で、以前書いた内容を示しておきます。

内部監査の仕組みを作れていない大企業

内部監査制度にも独自性と差別化が必要

監査をおこなう担当者の権限は、経営者以上でなければなりません

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