日本の4月は人事異動で企業内の人が動くときですが、異動
でも問題が噴出してきたりします。
前部署での評価がかなり悪かった人が異動してきたりすれば、
左遷だといううわさがでたりします。
大きな企業では、また心機一転生まれ変わって大活躍するチ
ャンスであったりします。
異動者を預かる部長などは、その人間の仕事ぶりを見ること
になります。能力もやる気も十分で、プロジェクトを引つ張
る人材になっていたりします。
前の部署の評価はなんなのか、といった前の部署の問題点が
さらけだされたりします。
当然、自部署で高い業績をあげた人材に部長は、高いランク
の人事評価をおこないます。しかし、その後昇級できないケ
ースがあったりします。
人事部に確認すると「評価で低いランクがつけば、昇級が 3
年間足止めになる」などの説明を受けたりします。
よく確認してみれば、異動してきた人間が、前の部署の部長
とそりが合わずトラブルになっていたということが原因で低
いランクの評価になっているようでした。
異動してきた部署の部長は人材を正しく評価するタイプで
「異動者の能力は高く、やる気もリーダーシップも十分にあ
り、昇級させるべき」と考えていました。
他方、人事部は高飛車な対応をすることがあり、その理由は、
前部署で低い評価の人が、別な部署で高い評価になれば、前
部署の社員が低いレベルになるといった、前部署(前部長)
のことを斟酌するような態度でした。
いわゆる斟酌型の減点主義でしょうか。このようなくだらな
い人事評価制度がありました。
ばかばかしくて話にもなりませんが、人事制度が年功序列時
代では、今では考えられないことが起こっていました。
まだ、減点主義が温存されている会社はあるのかもわかり
ませんが、減点主義の会社で幹部に昇格できるのは、一度も
失敗しなかった人ばかりになります。リスクの大きな仕事に
チャレンジをする人よりも、失敗のない手堅い仕事をする人
の方が昇格するのですから、当然ですが、上から下まで活力
のない人間が集まることになります。組織が活性化すること
もないでしょう。
上司に逆らった元気がよい仕事ができる人間にペナルティの
をおこなえば、上司に言うべきことを言えない会社になりま
す。
どこかの政党と同じでしょうか。
失敗を避けて順調に出世してきた凡庸な社員は、自分の既得
権を守ることにエネルギー使っていました。
上司に逆らうような社員は、地位が上がってきてほしくない
ので、敗者復活戦などがない方が都合がよく、凡庸な社員に
は、組織内の対流が起きない方がよいのです。
このような状況が、今日でも知らず知らずのうちに企業活力
を削いでいる企業があるのかもわかりません。
今の日本企業においても活力がない企業が存在しています。
多くの不祥事から垣間見えるのは、上下の対流がない活力が
不足した企業の姿ではないでしょうか。
その根底には、活力を発揮させない凡庸な経営職が多いこと
を証明しているように、私には思えてなりません。