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経営管理

人間関係中心主義が不正の温床となる中小企業

聞くところによると不正の動機は、圧倒的に生活苦が多いよ
うですが、浪費やギャンブルで負債を作ることもあれば、教
育資金や住宅ローンの負担が想定よりも大きくなったという
ものもあるようです。
なかには、家族の介護費用の負担から不正に手を染めてしま
ったという話を聞きました。

不正の多くは普通の社員が、手を染めてしまうということで
す。人は、いったん実現した生活レベルを簡単に下げること
ができないものです。生活レベルを維持するために、不足部
分を不正で補填したりします。
もっとも、生活苦だけで不正をおこなう場合だけではありま
せん。私が経験した不正事件では、生活レベルの差などによ
って自分と他者への感情が重なることで、不正に及んでいた
ように思われました。

それは経営者に対する羨望だったようでした。
賃金はある程度もらっているのですが、創業を共にした社長
は外車に乗っているといった羨望は、いつしか怨嗟の感情へ
と変化していきます。
もちろん経営者からすれば、資金繰りなど相応の責任を果た
していますが、このような不正を働くタイプの人間には、こ
のことが理解できません。
また、このタイプには、正論を話しても伝わりにくいもので
す。

つまるところ不正の原因は、社員と経営者の信頼関係の破綻
に尽きるのですが、中小企業では、人間関係をベースに経営
が行われています。
私に言わせれば、そもそも人間関係などの実態がない関係を
ベースに経営すること自体が誤りです。
経営者に対する忠誠心などに根拠はありません。
私でさへ、困苦する状態にあって、簡単に不正ができる環境
があれば、絶対にやらないという保証などないでしょう。
それが人間というものです。

だからこそ、内部監査などの経営管理機能が必要なのです。
経営は、人間の信頼などをベースにするのではなく、不正が
おこなわれないような環境をいかに作れるかだけです。
残念ですが、創業経営者ほど、この点を理解していません。

もっとも、近頃では大手企業でも別な角度で不正が横行して
いますが、内部監査機能がない、あるいはそもそも機能をつ
くっていなかったのでしょう。
上場企業でもお飾りをつくる企業が多くありますから、日本
の企業社会もいよいよ凋落してしまった感があります。

しっかりと内部監査機能を構築し、機能を発揮させている企
業からすれば大迷惑な話です。

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