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ベンチャー企業

ベンチャー企業は、まずは黒字化を目標にすることが重要です

ビジネスにおいてもっとも重要なことは、事業を継続していく
ために利益を上げることである。ベンチャー企業に限らず「黒
字化」は、事業運営からすれば当り前の鉄則であるが、また
「黒字化」の前提があるからこそ人を雇用し、商品を仕入れ、
あるいは資材を購入して、それぞれのサービスや商品、あるい
は製品の販売が可能となり事業活動を継続していける。

創業における「黒字」は、事業を継続している企業が出してい
る「黒字」とは意味がかなり違う。
先ずベンチャー企業では、事業活動をゼロ(起業)から進めて
いる途上であるため、「お金」が出ていく一方であり、入ってく
る「お金」がほとんどない。
資本金として計上されている資金(お金)から事業運営費をま
かなっていくわけであるが、資本金の金額以内でサービス化や
製品化が進み、しかも販売できれば、いくらかの売上金がはい
ってくるだろう。

この点は、各企業の事業化(黒字化)のスケジュールによると
ころであるが、いずれにしても販売する前の段階で資本金を使
いきってしまえば、事業化は終焉することになる。いわば廃業、
破産等することになる。

従って創業期の企業における事業化(黒字化)のスピードは絶
対的な条件となる。この点、新規創業会社における事業運営が
極めてむずかしいところだ。また経営者の経営能力が本当に問
われる局面でもある。

ファイナンスは、昔と比べれば銀行借入や普通社債のようなデ
ットファイナンスから新株発行のようなエクイティファイナン
スをおこなうことが可能となっており、ベンチャー企業におけ
る資金調達を可能にしているのは、このようはエクイティファ
イナンスに負うところが大きい。
起業する場合、ビジネスモデルにもよるだろうが、このような
制度によって比較的簡単に出資を受けることができるようにな
ってきた。

また、ベンチャー企業の場合、出資者を探す段階で事業計画に
基づくビジネスプランができており、このような情報を前提に
ベンチャーキャピタルは出資を引き受けることになる。しかも
早期に株式公開をおこなうことで、これら出資者に対して報い
ていくことになるため、事業の黒字化は必須条件となってくる。
これができないとベンチャー企業存続の基盤を失うことにもな
りかねない。
経営者が、必要以上に事業展開に焦りを見出す理由がここにあ
る。

事業計画の精度にもよるが、大体、計画通りに進むことは少な
いものだ。このような事情から当面の運転資金の確保がはじま
るが、いわゆる資金繰りの問題である。追加出資に応じるベン
チャーキャピタルもあれば、応じないキャピタルもあるが、総
じて一旦起業した場合は、必要な資金は簡単に集まらないもの
である。

勿論、創業まもないこれらの企業は、銀行借入といったデット
ファイナンスは不可能に近い。ベンチャー企業に限らず大手企
業の子会社においても「黒字」化は事業継続の必須条件であり、
ソニー子会社の立ち上げ期においては、第一期から黒字化させ
た。それだけ仕事と事業収益の確保における社員のスタンスは
厳しく問われており、徹底した合理化と新規事業における事業
収益確保を最優先で事業展開をおこなったものだ。

スタートから3年間は「息つく暇もない」とは、まさにこのこと
だ。在籍したベンチャー企業では、驚きだったが、このように
必死になった事業運営を見ることはなかった。ソニーが世界的
な企業になった意味が体でわかる。それほどまでに起業とは、
事業活動がハードだということだ。ましてソニーの創業期は、
私が経験したこの程度のものではなかっただろう、と少しだが、
創業当時を思い起こすことができた。

この意味で強烈な創業期のメンバーは、至上の価値をもつのだ、
と思う。
ソニー時代、多くの失敗はあったが、行動力がずば抜けている
だけに決断が速い。結果のジャッジも同じだ。この徹底した実
行と結果の反復から収益モデルを見つけていくことが可能とな
る。
海外など、どちらかと言えば発展途上国だが、一人で現地のお
んぼろ飛行機に乗り込んで仕事をやってのける強者のエンジニ
アがごろごろいる。
事業計画のように頭で描いただけで、簡単に利益は生まれない。

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