ベンチャー企業では、出資したベンチャーキャピタルの一部は、
社外取締役で入っていることが多いと思われる。
毎月1回開催される取締役会へ出席して意見を述べたり、質問
をしたりする。一般的にみられることだが、出資はするが積極
的に事業に関与しない姿勢のベンチャーキャピタルが多数であ
った。
理由はいくつかあるのだろうが、主なものはビジネスの展開を
理解できるのは創業経営者しかいないといった消極的な立場の
ようだ。
毎月お定まりの会議になる。
経営者もわかったもので、プレゼン資料で上手く事業が進捗し
ているかのように見せながら会議をやり過ごしていく。
ベンチャーキャピタルの人間は、内心は事業の進捗が思わしく
ないと理解していながらも、出資した以上は経営者に任せるし
かないといった心境だろうか。
そんな中で外資系投資ファンドの社員は、幾分鋭く質問を浴び
せることがあった。
事業展開の話になれば経営者はプロ中のプロであり、専門用語
を使った説明は理詰めで見事なものだ。
質問した投資ファンドの人間も納得せざるを得ない。
ベンチャー経営者は、説明に使える材料はなんでも使うといっ
たほうがよいだろう。
ベンチャーキャピタルは、だいたい大手金融機関系の企業が入
っていることが多いが、この点では、親会社の経営方針の影響
を受けており、ビジネス分野によっては思い切った投資をおこ
なうようだ。
それだけ期待を得て社会に対する責任を担っているわけである
から、なんといってもベンチャー企業における経営管理(戦術
レベルの展開)体制構築の不備は残念でならなかった。
ベンチャーキャピタルの人間は、どのような会社の人でも穏や
かな印象がある。それがいいのか悪いのかはよくわからないが、
辛抱強く待ち続ける恋人のように見えてしまう。
ある方が言うベンチャーキャピタルの特徴は、起業しようとす
る人やベンチャー経営者の参考となるだろう。
① 根拠があいまいで否定モード
ダメだしタイプ
新しい産業を生み出していくという、キャピタリストの
使命を忘れている
② 根拠が明快で、否定モード
もっとも役に立つタイプ
③ 根拠が明快で、肯定モード
④ 根拠があいまいで、肯定モード
⑤ 無反応
現実は、①と⑤が多数だそうだ。
私の経験は①が多く、③もまれにあった。