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ベンチャー企業

こういう人がベンチャー企業は欲しいところだろう

ベンチャー企業にむく人はいるのだろうか。いるとすれば、
どんなタイプなのだろうか、と思っていたが、ある本に次の
内容があった。

ベンチャー企業にむくタイプは、フットワークの軽さがあり、
新しいことにわくわくし、どんなことでも学習する力がある
人、だそうだ。

ベンチャー企業にむかないタイプは、安心や安定を求める人、
あるいは正社員や大企業に依存したがる人で、大きな組織の
なかで社員個人の人間性を否定したシステムに埋没されやす
く、安心をもらう代わりに、自由を抑制され、環境の変化が
激しい時代に弱いといえる、と書かれていた。

ベンチャー企業の危機とは、 安定指向の人間が入社したと
きで、社員ひとりひとりのわくわく感が減退したときである。
楽しむことを忘れた社員や言われたことの最小限しかやらな
いような人は、社内政治に神経をすりへらし、顧客のことは
意識の外にある。
ベンチャー企業の社員は、ささげた時間の対価として報酬を
要求するのではなく、働くこと自身を楽しめる人間 らしい
仲間こそ必要だ、とも書いてあった。

私は、ベンチャー企業に限らないが、企業とはそもそも「人
が価値を生む」ものだと思っている。
ソニー子会社時代”生産性は収益を向上させるが、企業価値の
創造は人による”と体得した。
ベンチャー企業にむいている人材の要件は、ベンチャー企業
に限らず重要だ。

これまでの時代環境でも変化はあったが、その変化を超える
だけの経済成長があったので、多くの企業は、大きな流れの
中でさほど大きな変化としては捉えていなかっただろう。
そのような時代の中にあって繊維産業などは、大きな変化の
波をもろに受けて抜本的な事業再編、構造改革をしてきた先
駆者だろう。
東レやクラレなどの企業にみられるように21世紀型の先端素
材を提供する企業へ大変貌している。

今後は、特定産業だけでなく、数多くの分野において繊維産
業が直面した経済環境の変化の波に洗われてくる。その意味
でも、「人が価値を生む」は、より多くの企業にとって本質的
な課題となる。
ソニーでさへ大変革している。

これまでは社内調整タイプの人材、いわば管理型の人材でよ
かったかもわからないが、今後、我国が直面するであろう、
あらゆる構造の変化に対して、より柔軟な思考ができ自分で
考えて行動できる人間が必要となる。

既存の大企業などでは、企業規模(事業規模)の大きさから
外部環境要因に対する感受性が弱くなっている。さらに、先
ず安定的に継続した事業をおこなうことが定義されやすい。
毎年、数兆円規模の売上を確保するわけであるから、安定し
た事業運営が必要であり、そこに携わる人材は比較的画一化
したタイプであり、事業運営に精通した者でなければならな
いという条件もあるだろう。

大企業といえども人間によって運営されているわけであるか
ら、そこで働く人によってはベンチャー企業のような”わくわ
く感”や”自由度の高さ”といった事業活動はあると思う。
但し、あくまで個人のマネジメントの範囲という限定された
空間でしか見られない現象だろう。
企業活動のベクトルが、どちらを向いているかが重要な要素
となるが、規模の核である社員数の多さは、いかんともしが
たい。

人が多いほど、個人の多様性や独自性は拡散し中心化傾向が
でてくるものであり、そのような環境の中に安住してしまう
のを一概に責められない。
この点が各社における事業運営の創意工夫が必要となる理由
である。
反対に、組織は小さいほど人間の個性や創造性を発揮しやす
いと言える。ベンチャー企業には有利なのだが、それも簡単
ではない。
やはり人の問題にいきついてしまう。

勿論、それだけ事業運営には、そもそもリスクが伴う。どう
しても人間がもつ生物個体の特徴としてどちらかに偏ってし
まうものだが、バランスをとった作為的(人為的)なマネジ
メントは、どんなに優れたといわれる経営理論をもってして
も意図的に機能化させるということは、むずかしいのではな
いか、とも感じている。

大企業になったとしても、多くの人材の才能を活用していけ
る組織機能を作っていくことができるような経営者とは、そ
の人自身が生れつき持っている才能のひとつではないか、と
思うようになった。
また、ソニーのような企業でも、創業時の経営理念や雰囲気
がなくなっていくなかで企業規模が拡大していけば、社員が
創業など意識することはなくなるだろう。そのとき、企業の
の転換点を迎えるのだろう。

日本では、これから大手企業でも永遠ではないという結果を
目の当たりにすることになると、私は思っている。
すでにその一部の現象は現れている。
外国企業からみると、日本語や日本的な企業活動、あるいは
日本の経済活動は、ほとんどがリスクと映るだろうが、それ
でも買収しようというファンドはある。
これまでも官民ファンドで挑戦した事業は、敗退しているが、
国主導で非上場化した某企業の行く末が気になるところだ。
あるいは、TSMCのような企業誘致に活路を見出すのか、今後
の行方は誰にわからない。
その意味でもベンチャー企業の台頭は、日本において重要な
課題だ。
しかも、その課題の本質は、やはり人だ。

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