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中小企業

志をもって決断することが重要なのだろう

私が在籍していたある企業の創業経営者は、まったく違った
分野の事業へ進出したが、志があった。
米国でみた光景が引き金になったと、話をされていた。
私は内心大丈夫なのか、と思っていた。
しかし、この創業経営者は、志を曲げることなく突き進んだ。
企業は、見事に成長している。
まさに圧巻だ。

このような経営者は、合理的な判断に基づく決定ではなく志
に基づいた決断をしており、 情報不足などを理由にしない。
必要なのは、決断に基づく実行であることがわかっていた。
経営は、理論ではなく実行であり、結果がすべてだ。

ベンチャー経営者は創業期から「志」はもっているものだが、
空理空論が続き、結果がでなくなり資金繰りに窮するように
なると、「志」は直ぐに金に移行(資金繰り)する。
この時期になると、ほとんど場当たり的な対応に終始するこ
とになり、企業が進むべき道筋など見えないといったほうが
よい。もがけばもがくほど深みに嵌っていくことになり、正
常な意思決定などできないだろう。

上手く事業売却などの話が持ち込まれてくるという幸運に恵
まる場合もあるが、この場合、社員の当面の生活はなんとか
安定する。だが、これはあくまで当面だけの話であって、将
来の企業成長が約束されたわけではなく、次の経営者がおこ
なう事業展開によって事業の成否は決定する。

これまでの経営から抜本的な改革ができるかどうかは、多く
の社員の心を一つにまとめることができるような経営マイン
ドをもった経営者が現れなければ、以前の経営者のマネジメ
ントの延長線上に社員がいるため、双方のコミュニケーショ
ンはかなりむずかしく、早晩、多くの問題を発生させること
になるだろう。

資金の有無だけが事業の成功を保証するものではない。私は
ベンチャー企業以外でこの事実をみてきた。私の退職後だが、
新たな出資者によって多額の出資、約300億円を得て再生を
目指したが黒字化ができず3年ほどで資金が枯渇したようだっ
た。再度事業の売却をおこなったが、その後、企業は破産し
、今では跡形もない。

やはり経営者の高い志なくして企業の発展はない、と確信で
きた。

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