中小企業には、例外や特殊な対応が多くあるものだ。
悪いことは構造的な要因に基づく出来事であり、良いことは
偶然の出来事である場合がある、とある人が書いていた。
経営をチェックするにも、経営判断するにも数字に基づく資
料が少なすぎることが多かった。
また、悪い出来事については、いつも例外扱いし、良い出来
事については永続すると考えている。
赤字を垂れ流している部門にメスが入れられない、あるいは、
経営者がドンブリ勘定という場合もあった。
このようなケースはベンチャー企業に限らず当てはまる。と
かくオーナー経営者がおこなっている経営は例外が多い。自
分の感性で経営活動をおこなってきたからだ。大手企業から
入社するとかなりリアリティ・ショックがあるだろう。
例外をできるだけ少なくしていく経営者は、健全な企業成長
をもたらしていくが、例外を温存させている企業は、企業活
動が弱まるようだった。
経験した企業では、ほぼそのとおりになった。
やはり企業は社会の中で活動するわけであるから、社会的な
ルールや社会一般の常識に基づく運営が要求されるのは、当
然なのだ。
なにか、このような体制にすると企業活動が弱くなると錯覚
している経営者がいたりするが、本当は逆であり、社会とバ
ランスが取れた活動をすることによって社員の活力が湧いて
くるというのが真理であり、事実だ。
経営数字をオープンにして全員で共有できる企業は成長して
いくが、経営数字をクローズしている企業は成長しない。社
員全員が経営を担っているかどうかという自覚の有無が、企
業発展のコアになっているからだ。
結果は、言うまでも見るまでもない。経営者や財務部門がど
んぶり勘定であれば、企業活動全体もどんぶり勘定であり、
早晩立ち行かなくなったケースを私をみてきた。