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経営者

世の中を知って自分を変えていくことが求められる

社外取締役の役割は、会社に世間を知ってもらい、成長の機
会を逃さないように迅速な行動を促すことです。成長軌道に
乗れていない会社は、現実を自社(経営者)都合で歪めてい
ることが多い。

ベンチャー企業では、社外取締役としてベンチャーキャピタ
ルをはじめ大学教授、出資事業会社の社員等、あるいは弁護
士、公認会計士など多彩な人達によって取締役会が構成され
ている。
この点からするとベンチャー企業には、多種多様な情報が入
っており、社会性という観点からすると、もっとも有利なポ
ジションにあるように見える。
しかし実態は、ほとんどお飾りになっていることが多い。
日本人の特徴的な面だろうが、議論をすることが好まれない
ことが、その主因だろう。

取締役会は、ビジネスの内容を精緻に把握している経営者に
よる一方的な話に終始するし、経営全般に関する話題がでる
ことは非常に少ない。また、取締役会を早く終わらせたいと
いう経営者の本音がある。

私が経験したベンチャー企業は、どこもあまり経営状態がよ
くなかったのでこのような対応だったのかもわからない。も
っともそのベンチャー企業では、技術的な知識や専門性にお
いて、日本でも有数の技術力をもっている経営者だったが、
経営の実態は事業化が上手く進まず、毎月おこなわれる取締
役会は、現実より将来展望を見せることに終始した。
出席している非常勤の取締役達は、おおよそ事業の進捗状況
は理解しているものだが、あえてビジネス展開の途上で発言
しても意味がないと思っているように見えた。

当然だが、ビジネスの本来的な意味における事業展開は、お
互いに語られることなく形ばかりのもので終わる。
多くの社外取締役は、ベンチャーキャピタルのようなサラリ
ーマン社員が中心となっており、出資会社の客観的な事情な
どを考慮しながら積極的に意見交換することなどほとんどな
く、経営者が繰り出すビジネスモデルと作文の進捗状況を金
科玉条のように信じていくしかないようだ。

日本のベンチャー企業が健全に発展成長しない原因の多くは、
経営者が専門的な仕事、例えば主幹技術など以外、特に経営
管理などにおいて、すべて自分でやろうとすることだ。
本来、ビジネス展開において重要な事業化(黒字化)のため
には、本来的業務だけに集中する必要があるが、ほとんどの
経営者はそれ以外の仕事もやってしまう。専門分野以外をや
ることになるわけだから、スタートアップからアリーステー
ジにおけるもっとも忙しい時期に本来業務を裂かれてしまい、
事業化の進展に後れを取る本質的な要因になっていた。

ある人が書いていたが、結果として「成長軌道に乗れない会
社は、現実を自社都合(経営者都合)で歪めている」ことに
なる。
実際、私が在籍していた企業は、見事にこの通りだった。

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